葬儀屋さん
2019/05/19
誰にも話せなかった、少しだけ悲しい話。今年のお正月、大雪で実家へ帰れなかったので、少し日を開けて帰ったの。いつもは私鉄で帰るんだけど、その日はなぜかJRで帰ろうと思ったのね。で、JRで実家のある街へ帰りました。改札を出るか出ないかのところで、うしろから「すみません、すみ…
2019/05/19
誰にも話せなかった、少しだけ悲しい話。今年のお正月、大雪で実家へ帰れなかったので、少し日を開けて帰ったの。いつもは私鉄で帰るんだけど、その日はなぜかJRで帰ろうと思ったのね。で、JRで実家のある街へ帰りました。改札を出るか出ないかのところで、うしろから「すみません、すみ…
2019/05/16
私の前の上司(課長)は無口、無表情。雑談には加わらず、お酒も飲まず、人付き合いをしない堅物でした。誠実公平、どんな時でも冷静なので頼もしい上司なのですが、堅過ぎて近寄りにくい雰囲気がありました。そんな課長の机の上には奥さん、子供四人と写った写真が飾られてて、「あの…
2019/05/15
母は、と言うか母の家系は、某山とよからぬ因縁があるらしく、祖母より決してそこへ行ってはいけないと固く言われていた。「あの山に行ってはいかん。絶対にいかんよ。行ったら帰ってこれんようになるよ」と。ある冬の日、俺が小学校に入って間もないころ、親戚に不幸があり父と母と俺の3人で葬儀…
2019/05/14
長いけど祖父の事書きます。私は昔から祖父が大好きだった。恰幅が良く無口な人だか、情に厚く優しい人だった。その祖父が、脳梗塞で倒れ、3年間の闘病の末亡くなった。亡くなる間際の祖父は痩せこけていて、言葉も話せない状態だった。ただ…お見舞いに来た私を見ては嬉し涙を流し、帰る…
2019/05/08
去年の夏に私の知人のTさんが体験した話。Tさんは、田舎の父が亡くなったと半ば半狂乱の母から連絡があったので、葬式関係の話をするため田舎に向かっていた。Tさんの父は母と二人暮しで、農業を営むレトロな専業農家で、母と凄く仲が良かったらしい。仲の良い父さんと母さんの事だ、…
2019/05/06
私の父がまだ子供だった時分の話ですので、今から60年以上昔のことになります。当時、長崎県S市に住んでいた父は、家族に頼まれて回覧板をお隣に出しに行きました。季節は夏、暑い昼下がりで、家の中から外に出るとぼうっと頭がかすんだほどだったそうです。通りに出ると、ふいに背後から声を…
2019/05/04
母は36歳の時に病死したのだけど、一年ほどある男性からストーカーされていたらしい。当時は知らなかったのだが勤務先の取引先の人だそうで、父が不在の時や出稼ぎで二ヶ月留守にしている間に、家に押し入ったりとかなり激しかったらしい。当時はストーカー規制法なんかないし、押し入…
2019/05/02
死者からメール貰ったことがあります。もう7年も前の話です。当時私はまだインターネットを知らず、パソコン通信をやってました。気のあった者どうしが書き込むクローズドの掲示板みたいのがあって、そこで仲良くなった人たちとオフでも会ったりして、楽しく付き合っていました。そういう仲…
2019/04/27
どうやら子供の頃から霊感があるらしいんだけど、普段から見えたり聞いたりするわけじゃないんだ。何かの拍子に波長が合ってしまったりするんだろうね。今でもたまに見ちゃう。小学校に上がる頃までは、誰もいないのにひとりで会話してたらしいから、その頃までは普通に見えたりしていたらし…
2019/04/24
私の仕事は、いわゆる広告業。中でも、お悔やみの広告(○○さんXX日死去、通夜は△時から●●で~みたいなやつ。新聞とか、ネットに載ってるんだけど、地方独自なのかな?)を間違いがないかチェックして先方に送るという、校閲業務を担当している。当然、死後数時間の悲しみ真っただ中…
2019/04/24
この間、ずっと忘れていた事を思い出しました。前後関係は全く判らないのですけど、子供の頃住んでいた小さな町で、他の子供五人くらいと何処かの家の壁に、ぎゅーっと掌を押し付けているんです。で、そうしていると、いきなりずぼっと音がして、私達が手を当てていた壁(立派な石造りのやつ)…
2019/04/24
姉の様子が最近変だ。キッチンのテーブルに腰掛け、口をポカーンと開け、空ろな目つきで視線を泳がせている。以前は風呂場や自分の部屋をうろついていたが、この何日かはキッチンにいつもいる。去年母方の祖母が亡くなったが、あの時のことが本当だったのだろうか。祖母は意識が混濁する前に僕…
2019/04/21
友人の話。実家の祖母が急死した。慌てて帰郷し、何とか通夜には間に合った。一息つく間もなく、翌日の葬儀の準備を手伝わされたという。葬儀社との打ち合わせを終え、湯呑みを掻き集めていた母の手伝いに向かう。先に話した折、湯呑みの数が足らないと頭を抱えていたからだ。「お母…