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カードの予言

2019/04/12

これは私が友人から聞いた話です。
彼女が中学生だった頃のある日、母親と一緒に親戚の家を訪ねました。
そこには二つ年上の従姉妹がいて、とても仲が良かったそうです。
彼女は従姉妹と会うのを楽しみにしていのですが、
その日は部屋にこもって、なかなか顔を見せなかったそうです。
しばらくして従姉妹が姿を現し、
彼女に自分の部屋に来るよう手招きしました。
ちょっと深刻な様子だったそうです。
部屋に入るなり、従姉妹は彼女にある封筒を渡しました。
そして、
「これをしばらく預かってほしいの」
唐突に言ったそうです。
封筒には従姉妹が書いたらしい日付が記してあり、
「再来年のこの日まで。それまでは絶対に開けたりしないで・・・
ただ、私に何か起こったら」
従姉妹の真剣な表情に、彼女は不安を覚えました。
封筒の中身と、預ける理由を知りたかったのですが、
「いつか全部話すから、それまでは二人だけの秘密にして」
と、逆にお願いされる形になり、
彼女は押されて納得したと言います。
友人はしばらく気にかけていたそうですが、
受験や高校入学などがあって、
ほとんど忘れかけていたそうです。
また、従姉妹も進学で他県へと離れ、
なぜか一年近く会わずにいたある日、
彼女は学校から帰るなり、母親から聞かされました。
従姉妹が心臓麻痺で亡くなったことを。
友人はかなりのショックを受け、
呆然自失のまま葬儀に立会いました。
そして、ようやく悲しみを実感する頃になって、
あの封筒の事を思い出したそうです。
不吉な予感は的中し、
従姉妹が亡くなった日の日付が目に飛び込んできました。
彼女は震えながら封を開けると、
そこから一枚の紙と、
タロットカードらしきものが出てきたそうです。
従姉妹が手書きしたと思われる紙には、
ある占いの方法が書かれていたそうです。
カードを切るいくつかの手順と、その並べ方。
本人の生年月日やその日の天候なども関係していて、少し複雑でしたが、
それによって、ある年月日が導き出されるようでした。
つまり、その本人の死ぬ日です。
友人が手にしたカードは、かなり古いものだったようです。
絵柄は動物や昆虫、植物などで、タロットとは違うとのことでした。
私はそのカードをどうしたのか、彼女に訊くと
「多分誰かに預けると思う。ずっと先の事になるけど」
と答えました。
なんでも、そのカードは、託された人だけの予言をするそうです。

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