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ホテルの窓から

2018/09/16

当時17歳ぐらいだった僕は家族と一緒に北海道は阿寒湖のホテルに泊まりました。
地上8階の4人泊まれる部屋で、その夜、みんな寝静まったけど僕だけ眠れずに起きてたんです。
ほら、ホテルの部屋ってなんか暑苦しくて寝づらい時があるじゃないですか。
あんな感じで。
時間はわからないんです。
目を瞑って考えごとして眠気がくるのを待ってた。
でも、どうしても眠れない。
よくあることなんですが。
で、目をあけてふと窓の方を見た。
そして、あ、なんか動いてるな。と思って目をこらしてみた。
そしたら・・・
窓の外でね、人間がバラバラバラーッてかんじで組み体操みたいに塔を作っていくのが見える。
下からどんどんどんどん人間が這い上がってきて肩車で次々に塔を作ってる。
僕は背筋がゾクッーっ!として全身鳥肌立っちゃって、もう動けない。
なぜか目もつぶれないんです。
もう泣きそうになりながらジーッととソレを見ていたら、何かが上のほうから落っこちていったのが見えたんです。
すると組み体操もバタバタバターッて一斉に力が抜けたように崩れて窓から見えなくなった。
すると、ふーッと肩の力が抜けて金縛りも解けた。
この夜のその後の記憶はありません。
次の日、新聞で知りました。
あの日、あの時間帯、あのホテルで投身自殺をした方がいたそうです。
しかし、遺書は無かったそうです。
聞くとそのホテルの近くの湖でかなりの人数が水死したことがあり、そのホテルでは度々このような自殺が起こっていたということで
2階から順番に8階まで各階4人づつ死んでるそうです。
で、あの日の自殺が9階で初めての自殺者だった。
もし次が8階の自殺者の4人目だったら・・・と思うと今でも冷や汗が止まりません。

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