探検隊
2018/06/20
随分昔の話ですが、私が小学校低学年頃、近所の川に遊びによく行っていました。
ある日、下水か上水か良く分からないが強大な地下水路を見つけたので川で遊んでいた友人や知らない子供も誘って探検する事にしました。
そして、いくつか探検隊を作って土管の入り口から中に入ることになりました。
中の水路は何本にも分かれていました。
広いフロアなどもあってかなりの規模の施設だと思います。
奥に進んでいくと出口が見えなくなりました。
途中で曲がったり、何も考えず走ったりしたのだから当然です。
もう戻れないのでは?皆が不安に思い始めたので帰る事にしました。
幸い私達は帰る事が出来たのですが、他の隊がどうなったかはわかりませんでした。
知らない子供達が作った探検隊は本当に帰れたのか今でも分かりません
その後、私は遠くに引っ越す事になり友人とは音信不通になり、そのことを忘れていきました。
大人になった今なら、当時の新聞や市役所の記録で行方不明者が出たかどうか確認できるでしょう。
しかし、探検隊を作ろうと誘ったのは私です、もし、帰って来れない人がいたらと思うと確かめる事が出来ません。
いや、本当は事件があったのかもしれません。私が故意に記憶を都合のいいように変えたのかも知れません。
最近、私は夢を見ます。知らない子供達が私を探検に誘う夢を毎日見るのです。
彼らの冒険はまだ終わっていないのかもしれません。
そして、私は隊長の職をまだ下りさせてもらえないようです。
罪を犯したのか、それとも気のせいなのか確かめる勇気の無い私にとっては、いつまでも続く苦しみと言えるでしょう。