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じいちゃんが入院した

2019/06/26

じいちゃんが悪くなって入院した。
肺に影があって、癌の可能性が高いけど、
血液の数値も上がらず、
内視鏡でも癌細胞は出なかった。
でもじいちゃんはみるみる痩せていって、
食欲も落ちて症状は癌そのもの。
呼吸困難で個室に移されたある晩、
看病しているとじいちゃんが譫言のように、
「たぬき…俺を一人にするとたぬきが来る」
と言い出した。
その時は、あぁ強い薬のせいだな、と思ったけど、
じいちゃんを落ち着かせようと思って、
「たぬきのばか。どっかいけ」
と言ってみた。
朝家に帰って、
その日の晩は病院には行かなかった。
けど変な夢を見た。
夢の中で誰かに話しかけられた。
「なんでわかった?俺がいるのを」
何故かわからないけど
私は普通に相手と話していて、
「じいちゃんに関わるな!」
と夢の中の相手に言っていた。
そしたら相手は
「わかったよ。他のを探すよ」
と言って消えていった。
その夢は看病疲れのせいで見たのだろうと、
今でも思っている。
あれからじいちゃんは回復して、
医者もびっくりしている。
老人がここまで回復するのは
ごく稀なケースらしい。
あれだけ検査してわからなかったのに、
癌の可能性が極めて低く、
影がうすくなっていることがわかった。
夢の中での相手はたぬきじゃなかったような気がするけど、
私は心の中で
「ありがとうたぬき」
と言ってみた。
でも学生のいとこが白血病になった。

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