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お堂を掃除した日の夢

2024/05/04

高校生になって原付の免許を取り、運転の練習にと実家から近い峠にツーリングにいった。
時間は昼過ぎで、天気は晴天。
平日と言うこともあり車の通行は少なく、初心者には嬉しい日和。
その峠は小学生の時に自転車でも登ったことがあるため、気軽に向かっていた。

峠までの道中には、寺か神社が管理してるお堂みたいなのがあって、山の斜面を削って作った三日月型の駐車場が作られているのね。
駐車場の端には大きな石碑が立ってて、駐車場の法面には『阿弥陀如来御来光』みたいな感じのことが書いてあって、変な場所ではあった。

夜になると走り屋が来る峠のため、そこは休憩場所にされているのかいつもゴミだらけ。
その日もやっぱりゴミが酷かった。
それを見たときに、ゴミ掃除しなきゃと思ったんだよね。
特別ボランティア精神を持ってはいなかったけど、その時だけはしなくちゃいけないと強く思ったのを覚えてる。

急いでUターンして、コンビニでゴミ袋を買ってゴミ掃除開始。
掃除は時間にして30分ぐらいかかったかな。

あらかた片付けた後に、お堂までご挨拶に言った。
初めて行ったけど、簡素な墓石のようなものがいくつかあるだけのお堂。
手を合わせて帰ろうかと空を見上げたら山から一羽のカラスが飛んできて、私の頭上で一周旋回したあと山に帰っていった。
これはお礼とかなのかなーとのんきに考えてゴミを持ってその日は家に帰った。

ゴミを持ち帰ったその日の夜。
いつも通り就寝して、見た夢が今でも忘れられないぐらいの悪夢だった。

夢の中で自分の部屋で目が覚めて、一番に感じたことが逃げなきゃ殺されると言うことだった。
何故かこれは夢だと気が付いてはいたけど、そんな事よりも既に何かが家の中にいて、私を探している事だけはわかった。
恐る恐る部屋を出て、急いでトイレに駆け込んで鍵を閉めた。

鍵を閉めると同時に、斧で扉を殴り付けられた。
不思議なもので叩き付ける音から相手が斧を持ってる事がわかったし、そいつが男だと言うこともわかった。
そして扉を破られたら間違いなく死ぬと悟った。

まるで映画のシャイニングのような状況で、扉が破られないことだけを必死に祈って震えていた。
斧の先が扉を突き破って刃先が見えたところで、突然そいつはいなくなった。
本当にフッとそいつの気配が消えた。

ドキドキしながらトイレを出て、一階に降りたところで、そいつが玄関から出ていったと直感でわかった。
力が抜けて、安堵して座り込んだところに、会ったことのない祖父が現れたところで目が覚めた。

特別その後に何かあった訳じゃないし、夢に現れたのが本当に祖父だったのかもわからない。
それからその場所には近付いていないし、あのお堂がどういう場所なのか調べてもいない。
ただただ怖い場所という事で、家族や知人には近付くなと言ってる。

これが私にとって唯一の霊体験でした。

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