ネット上に存在する不思議で怖い話を
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若い衆の肌

2019/03/06

帰省した時の出来事です。
到着して何日か経って挨拶回りも終わり、
やることもなく縁側でぼ~としていた。
そよそよ爽やかな風が田んぼを渡って吹いてきて、
遠くでセミが鳴いている。
福島県の奥のほうにある実家は熊が出る事もあるほど田舎だ。
「は~のどかだなあ」
心の中でつぶやく。
それからだんだん気持ち良くなってきて
いつのまにか眠ってしまった。
「ん、なんかくすぐったいような?」
気配を感じて目が覚めた。
「なに!」
見知らぬおばあさんが
ちょこんと目の前に座って私の腕をさすっている。
歳は70とか80とかいってそうで
ぼろぼろの茶色い着物をきていた。
顔は下を向いていたので良くわからない。
「なんなんですか、一体!止めてください!!」
と言った。
つもりが声が出ない。
しかも体も金縛りにあったかのように全く動かない。
かすれるような声が聞こえてきた。
「ぬめら~として、若い衆の肌はたまらんのう~」
「ぬめら~として、若い衆の肌はたまらんのう~」
ひえ~なんだこのババア!勘弁してくれ!
強引に引き剥がそうとしても体は言う事を聞いてくれない。
「ぬめら~として、若い衆の肌はたまらんのう~」
とつぶやきながら
腕からだんだん顔の方に向かってさすってくる。
ついに手が私の顔に届いた。
その時、下を向いていたババアがこちらを見た。
ババアの顔はひどくただれていて
目も鼻も区別が出来ない。
更に口から血と泡が混じったものを
「ボコッボコッ」
と吐き出している。
私は気を失った。
もう暗くなった頃、親に起こされた。
なぜか焼けるような痛みが走る。
「あんた、どうしたの!!」
私の腕から顔にかけて
肌がベロリと剥けていて血まみれだったのだ。

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