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真夜中の訪問者

2019/03/31

夜中の2時半すぎ。
さっき不思議なことが起こった。
眼が醒めた。金属音で。
明らかに寝ているベッドのパイプに
何か、別の金属がかち合う大きな音。
電気をつけて少し見渡すが何も無い。
間違いなくかなり大きな音がしたのに・・・
音だけの夢ってのもあるのかな?電気を消した。
ふたたび寝ようとしたが、どうも眼が冴えて寝れない。
するとドアの外、エレベーターホールに人の気配がする。
なんだろう?
私の住む5階は2部屋しかなく、もう一部屋は会社で、夜は人がいない。
・・・しまった!今日に限って鍵を閉め忘れたぞ。
すると、静かにドアが開いた。
人が入ってきた。
エレベーターホールの薄明かりに照らされたその人影は、20台とおぼしき女性。
暗くてよく見えないが、細身で長身、モデルのような体型で、
長い髪、薄手の黒のスラックスに白のブラウス。
顔は輪郭から判断してかなりの美人かと思われた。
知らない女だ。
一瞬いろいろなことが頭をよぎる。
部屋をまちがえた?
強盗か?
それにしては殺気立った感じがない。
幽霊なら扉をあけなくてもいいだろう。
最近チラシのよく入る宅配の風俗が部屋をまちがえたか・・・
「もしもし?」
女が言う。
「どなたですか?」
私がつとめて平静に聞く。
手はベッドわきの居合刀に伸びる。
部屋の中は真っ暗なので、少し明るいところにいる
彼女からは俺の姿は見えないだろう。
「・・・間違えました」
声のトーンが外国人っぽかった。
彼女は音も無く出て行った。
扉を閉める音も聞こえないくらい静かに消えた。
たまたま鍵をかけ忘れたときにこんなことが起こるとは。
しかし最初の金属音は?虫の知らせってやつかな?

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