深夜の浴室
2019/03/06
ついつい最近のお話。
その日、仕事関係の飲み会が終わって深夜に帰宅した。
次の日が休みでゆっくりと時間が取れるので深夜にもかかわらず
湯船に湯を張って入ることにした。
時間は二時前後。
小説を持って湯船に入り三十分程して頭を洗った。
ふと右側に気配を感じ
シャンプーの付いたまま湯船の方を振り向いた。
いた。
顔が不自然に長い痩せこけた女。
声を出そうにもビビッて出せない。
シャワーの音だけが浴室に響く。
怖い。
目を背けようにも首が動かない。
横を向いていた女の首がだんだんとこっちを向き始めている。
ヤバイ。
心の中でひたすらにお経を唱えた。
全然、効いてない様だ。
悪寒が走る。
その時、隣の家の犬が吠えた。
女はゆっくりと消えていった。
それこそ、本当に恨めしそうな表情を浮かべて。
それ以来、どんなに汚れていても深夜に風呂に入る事はなくなった。
つい、十日程前の話。泣