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深夜の公園

2019/04/16

3年前に体験したミステリアスな話。
ウチから歩いて30秒くらいの所に公園があって、
そこには甲子園の地区予選とかでも使われてる大きな球場がある。
寝付けない日にはその公園に行って、
夜風に吹かれながらタバコ吸ったり
球場の周囲をグルっとブラつくのが日課だった。
ある日、深夜2時頃になっても寝付けず、
いつもの様に公園に行き球場の周囲を歩いていると、
球場の真ん中に誰かいる事に気付く。
不審者が忍び込んでるのか?とよくよく見てみると、
遠目からでも『人』じゃない事がシルエットで分かった。
恐らくは2.5~3Mくらいはある、縦向きの白い『棒』だ。
レモンみたいに両端が萎んでいて、太さは30センチくらい。
『棒』が二本、球場をホバリングしながらフワフワ漂っていて、
同じ場所をグルグルと探し物でもしているように動いている。
なんだあれ…と思い、凝視しても一向に正体が掴めず、
30分くらい見てたら眠気が来たので、その日は帰ってしまった。
翌日、正体が気になって、また深夜2時頃に公園に行ってみた。
球場の真ん中を見てみたら何もおらず、
気のせいだったのかな…と帰ろうとしたのだが、
ふと見たら今度は球場の端、
選手が控えるベンチの付近に例の『棒』が
フワフワと漂っているのを発見した。
ただ、今日は何故か『棒』が一本しかいない。
もう一本はどこ行ったのかと見渡していると、
自分が覗いていた所から10Mほど離れた球場の外に『棒』がいた。
例えるなら『ムンクの叫び』の顔の部分だけ切り取って、
画像処理で思いっきり縦に伸ばしたみたいなものがいて、
こちらの様子を伺う様にフワフワ浮いている。
球場の中にしかいないと思い込んでたのに急に目の前に現れ、
「っわ…!」
と声にならない短い叫び声を上げ、
メチャクチャ怖くなってその場から走って逃げだした。
ただ変に冷静で、このまま真っ直ぐ家に帰ったらバレる!と思い、
逆方向から公園を抜けだし、ぐるっと町内一周して裏口から帰宅。
帰宅後も心臓バクバクで、その日は結局寝付けず、
翌日以降はその公園には一切近づかないようにした。
近所の友達や両親などに話してみたが当然誰も信じず、
この公園では過去に誰か死んだとか心霊現象目撃談とか一切ない。
ただ入念に調べてみるとUFOの目撃例があったらしく、
ぶっ飛んだ推測だけど、あれは宇宙人だったのかもしれない。
数か月間は公園に近づく事もなかったが、
それ以降は恐怖心も薄れて普通に日課として戻っているが、
以来、もう二度と『棒』を目撃する事はなかった。
あれは一体なんだったのだろうか…。

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