妙な夢
2018/12/08
これは友人が10年程前に体験したという話です……。
ある夜、その友人は自分の部屋で寝ていました。
そして、夢を見ていたそうです。
それは、彼の友人達と温泉に行く夢でした。
しかし、いざ風呂場に着いてみると、
友人達の姿はありませんでした。
仕方なく一人で体を洗っていると、
その風呂場がおかしい事に気付きました。
何人もの人間が、
四角い机のようなものに寝かされていて、
その周りを一人の男がうろついています。
そしてその男はおもむろに手に持っていた棒のようなものを、
口を開けて寝ている人の口に突っ込み始めました。
しばらくそうして何人かの口に棒を突っ込んだ後、
その男は友人に気付いたようで、近寄ってきました。
「……あなたも、やってみますか?」
男は棒を友人に差し出しました。
「……いや、結構です」
友人は気味が悪かったので、断りました。
するとその男は恨みがましい目で去って行きました。
……と突然、友人は目が覚めました。
全身は汗で濡れていました。
気持ち悪い夢だったな、
と汗を拭おうすると、体が動きません。
そして、呼吸が出来ません。
苦しくて、思わず目を開きました。
すると、見知らぬ男が、
太い腕を友人の口の中に、
喉まで突っ込んでいました。
友人は気を失いました。
次の日、目を覚まし部屋を見渡すと、
誰も侵入した形跡はなく、
友人の身にも何の異常もありませんでした。
その友人は、
その後何度か不可思議な夢を見たそうです。
自分が死ぬ夢も……。
その友人は音信不通になってしまったので、
現在生存を確認する事ができません……。