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余計なこと言うな

2018/12/08

消防のころ、クラスにY伊藤という奴がいた。
奴は背が小さいせいか、からかわれる対象になりやすく、
俺もたまに帽子とか上履きをとりあげて他の奴にパスしたり
(よく消防がやるやつね)授業中にちぎった消しゴムをぶつけたりしてた。
でもそんなイジメってほどでもなく、普通に遊んだりすることもあった。
ある日、昼休み恒例のグラウンドでのドッジボールが予鈴で終わり、
俺はボールの片づけがあったので、みんなより少し遅れて玄関に駆け込んだ。
そのときに、ドッジには参加していなかったY伊藤とすれ違った。
俺は
「もう授業始まるよ。」
と振り向いて声をかけた。
すると、Y伊藤は、ブツブツと何か言ってそのまま学校から出て行った。
俺には、
「余計なこと言うな。」
と聞こえた。
普段のY伊藤の口調じゃなかったので、違和感を感じた。
自分が授業遅れて怒られるとイヤだから、急いで教室に向かった。
教室に入ったら、Y伊藤がいた。
「え??」
と思いながら、Y伊藤に、
「さっき玄関から出て行かなかった?」
って聞いたら、
「ここにいたよ。」
とY伊藤が答えた。
俺は全速力で最短ルートを着たので、先にY伊藤が着けるはずがない。
納得いかなかったけど、見間違えだと思ってその日は気にしなかった。
その日の夜、寝ていたら、額をコツンと叩かれた。
指でキーボードを叩くように、そんなかんじで叩かれた。
俺は
「うわぁー!」
と叫んで跳ね起きた。
自分以外は俺の部屋にいないはずだから、死ぬほど怖かった。
事実、周りをみても誰もいなかった。
あまりにも怖いので、布団を頭からかぶった。
胎児のような姿勢をとり、そのままじっとしていた。
跳ね起きてから2分くらいたったのかな、
そのとき、すごい衝撃が襲ってきた。
頭の右前頭部から、左耳の下あたりを、
透明なジェット機のようなものが貫通していったようなかんじ。
一瞬だったのだが、右耳から
「ゴオオオ!」
とすさまじい音が響き、左耳に抜けていった。
体全体が一瞬ビクン!と跳ねた。
もうなにがなんだかわからなくて、
泣きそうになっていたときに、
耳元から、
「余計なこと言うな。」
と聞こえた。
結局その日は朝まで寝れず、親に具合が悪いと言って学校を休んだ。
次の日に学校に行くと、Y伊藤はいなかった。
「昨日おまえが休んだ日に転向していったよ。」
友達が教えてくれた。
いつもとかわりないY伊藤が壇上から別れの挨拶をしたらしい。
あの体験はなんだったんだろう・・。
実話だからオチがないけど、ほんと怖かった。

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