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コックリさんだけは駄目

2022/08/28

この話しタブーが多すぎて書くのちょっと怖いんだけど。

私は幼い頃霊感が有った気がする。気がするというのは、どの霊体験も今思い出すと本当に有ったことなのかな?って自分で疑わしくなってしまうからだ。
でも、これだけははっきり「本当にあったことだ」って覚えてる。何しろ友人が交通事故にあったんだから。

それはコックリさんをやっていたときの話。小学生特有の好奇心で、場は盛り上がっていたが10円玉は微妙な動きしかしなかった。
スルスル動くなんて事は決して無く、ジリジリと動くものだからYESかNOかの質問がやっと。それでも気の弱い友人には怖かったんだろうな、「お帰りください」をする前に指を離してしまった。

私たちは、呪われるぞーなんて言いながら、その場で「お帰りください」を開始して、コックリさんを終了した。しかしその日の放課後、その友人が車に跳ねられた。別の友人とプールに向かう途中だった私は、道路に転がっている友人を見てぞっとした。

幸い友人の怪我は骨折程度の軽いものだったんだけど、その現場に居合わせた子の話によると、車が来てるの解ってるのに道に飛び出したとか言うし、事故った友人も「お母さんに呼ばれた気がした」とか訳のわからないことを言うし、ヤバイなぁと思った。

でもそこは小学生。面白がって、「こっくりさんに、あの子が指を離したからお怒りになられたんですか?って聞いてみようか?」なんて、もう一度コックリさんをやろうかって話になった。
しかしそれを聞きつけた担任の先生が、物凄い剣幕で私たちをしかったので、コックリさんは中止になった。

「コックリさんだけは面白半分でやっちゃ駄目!!」

いつもは優しい笑顔が人気の音楽教師だった担任の、予想外の剣幕に押された私たちは素直に頷いたが、あまりにも酷かったので、後日、どうして?と担任に聞いてみた。
すると先生もこっくりさんの怒りに触れたことがあるのだと言う。

「先生が高校生の頃の話なんだけどね…」

バレー部員だって先生は、部活終了後、こっくりさんをかなり本格的にやることにしたらしい。人数は四人。方角から何からきちんと調べてやったこっくりさんは、驚いたことにスラスラと10円玉を動かし、「誰が誰を好き」だなんて他愛も無い質問に答えてくれていたって。

調子に乗った先生達は、「じゃあ最後にこっくりさんのお名前をお聞かせください」って言ったらしいんだ。
すると10円玉が動き出し

す し こ

って綴ったそうなんだ。
先生達はその名前に笑ってしまったらしい。すると案の定、こっくりさんがお怒りに。
10円玉から指は離れなくなるし、部室の扉は開かなくなるしで、パニック状態。泣いて謝る時間が三時間ぐらい続いたって。

元から優しい類の霊だったんだろうな。するとこっくりさんはようやく「●●にある大きな木の下まで謝りに来たら許してやる」って言って、みんなを解放してくれたんだって。
でも先生は謝罪に行っていないらしい。怖かったからってさ。
こっくりさんってやっぱ遊びでやっちゃいけないよね。

あ、今思い出した。
この音楽教師、私たちが在学中に美術教師と職場結婚したんだ。
できちゃった結婚だったから、私たちを教えてる最中にアレとアレがナニを…と思うと生々しくて嫌だったんだけど、生まれた子、障害児だったんだよね。

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