井戸の一つ目
2022/03/19
実家の町外れに今も神社がある。子供の頃、その神社で遊んでた時に起きた。
かくれんぼとかしていたのだが、俺は飽きて鎮守の森のなかをぶらついていた。
森のなかに台のようなものが目に入り近づいてみた。とても古そうな井戸だった。
結構厚めの木の蓋をどかして中を覗く、井戸はまだ枯れてはなく、飲んだわけではないが、水も飲めそうだった。
ふと水面の変化に気付いた。その水鏡に私が映ってる。もう一人映ってる。
一緒に遊んでた奴かな?と思い顔をあげたが誰もいない。
もいちど水鏡をみる。やはり俺以外もう一人井戸を覗いてる。よく水面をみるとそいつは子供じゃなく大人で目が一つ。
その事に気付いたら一目散に家に帰った。
今でもなんだが、時々、所々にある隙間から井戸の一つ目が俺をみてる時がある。