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霊感教師と霊感生徒

2019/07/23

俺の母は小学校の教師をしている。
霊感があり、赴任先によっては、
かなり肉体的にヤバかったらしい。
10年前に4年生のクラスを担任したとき、
かなりの霊感がある女生徒Aと出会った。
Aは小学校に入学してから、近所の誰がいつに死ぬとか、
校庭にこんな霊がいるとか口走り、
校内では有名になっていたらしい。
しかし、上級生の自殺を言い当てたとき、イジメの対象になった。
そのときに担任なったのが俺の母で、Aの能力は本物と感じていた。
実際に受け持ってみると、上に挙げたことを口走り続け、
感情をコントロール出来なくてポルターガイストを起こしたりした。
それで母は、本人に謹むようにと霊感を封印させた。
一年が経ち、Aが5年生に進級したときも母が担任だった。
そして、ある事件が起きた。
他のクラスの生徒が深夜になっても帰宅しないらしく、
5年生のクラスを担任している教師達が学校に集まり、探すことになった。
母もその一員で、この霊感を何とか生かせないものかと思ったが、
そっち方面の力は無かったらしい。
頭を抱えていると職員室の電話が鳴った。
母が電話に出ると、相手はAで焦っている様子だった。
「先生、学校の人で、行方不明になっている人いないですか?」
と言う言葉に驚いた母は、隠さずに伝えた。
「やっぱり。夕方からある病院のイメージが離れないの。
血の臭いとか、肩に乗っかってきたり、
段々ひどくなってきて、体がしんどい。
でも、誰か生きている人間もいて、
集団で出られないってドア叩いてて、私行かなきゃいけない気がする」
Aの訴えを聞いた母は意を決し、職員室をあとにした。
Aを迎えに行った母は、
コンビニの駐車場で詳しく話を聞くことにした。
A曰く、場所は廃墟と化した某病院らしい。
時計を見ると深夜0時を過ぎている。
母はAを信じ、車を走らせた。
車のランプがつかなくなったり、
急にラジオがついて変な声が聞こえて耳鳴りがしたり、
かなりアクシデントがあったらしいが、
20分ほど走り何とか病院に着いた。
着いた途端、立っていられないほどの眩暈と吐き気に見舞われ、
それはAも同じで、母は可能な範囲で浄霊し、結界を張って突入した。
廃墟の病院は、2階建ての棟と3階建ての棟の、
2つの棟から成り立っていた。
しかしAは、導かれるように進んでいく。
そして手術室らしき場所で、行方不明になっていた生徒を発見した。
どうやら、ネットで募った仲間達と探検している最中に、
ドア開かなくなって失神したらしい。
それから9年後。
就職を機に上京した俺は、得意先に勤務していたAと出会い、
俺の母とも再会したAは、6月に俺の奥さんになりました。

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