影が犬
2019/07/17
小さい頃公園で遊んでたら、
見た目は人間なのに影が犬なお兄さんに逢った。
1人かと聞かれたので、お母さんが迎えに来ると言ったら、
来るまでここにいると言う。
気にせず遊んで、迎えが来たので振り返ったらお兄さんはいなかった。
それから中学生になるまで、4回ほど逢った。
いつも1人かと聞かれた。
いつも誰かと合流するまで、近くにいて、振り返るといなかった。
最後に逢った時、お兄さんは全然変わらぬ姿で犬の影もいつものまま。
「もうすぐ大人だね。本当はもっと前に連れてくべきだったけど、出来なかったなぁ」
と苦笑いして、
「元気でね」
と去っていった。
初めてお兄さんの背中を見た。
寂しそうだった。
昨日、娘が
「わんこのお兄ちゃんに逢ったよ」
と楽しそうに言った。
…あの人なんだろうか。