自動ドアが開かない
2019/06/16
大学二年の夏休みに入るちょっと前からだったかな。
コンビニやらスーパーやらの入り口…
とにかく全ての自動ドアが俺に反応しなくなった事があった。
それまでは普通に使ってたコンビニなのに自動ドアが開かない。
立ち位置変えたり色々やっても開かず、
店員が気付いて内側に立って開けてくれたのは良かったんだが、
買い物済ませて出る時になってまた開かない。
ええー?と思いながらも、
またもや店員がドアの前に立つとあっさり開いた。
何でしょうね、みたいな事を言いつつ互いに首を傾げた。
で、それから一ヶ月以上の間ずっとそれが続いた。
そのコンビニだけでなく、近くのスーパーやゲームショップ、
電器店までどこに行っても自動ドアが開かない。
コンビニは3回目くらいで
毎回右往左往してるのが恥ずかしくなって行くのを止めた。
どうしても買い物って時には友人と一緒に行くか、
人が多い時間に行って共連れで入って、
出る時も共連れで…みたいな事をしてた。
幸い大学の建物には自動ドアは導入されてなかったので、
留年の危機(夏休み前=試験シーズンなので…)には至らなかった。
とは言えその頃一人暮らしをしていた俺としては、
食料品やらの買い出しにさえ気を使い、
どこに行くにも後ろめたい思いをする、
というのはなかなか精神的に堪える物があった。
事態が収まったのは前述の通り一ヶ月ほど経ってからだった。
どうせ夏休みだし気分転換にと、
田舎(実家ではなく爺さん婆さんが住んでる田舎。本当にド田舎なのでコンビニも無い)
に遊びに行って、
一週間ほど畑仕事の手伝いやら何やらの、
自動ドアとは縁がない生活を送ってた。
で、田舎から一人暮らししてるアパートへの帰路で、
自宅最寄り駅前のコンビニに寄ったら、
あっさりと自動ドアが開いた。
その時は正直「おおっ!」と思ったね。
アパートに帰り着いてから、最初に事が起きたコンビニを始め、
近場の店に何軒か行ってみた。
ところ、これまでの事が嘘かのようにどの自動ドアもあっさり開いた。
あれからもう5年くらい経つが、あんな経験はあの時だけだったな。
それでも結構印象的な体験だった事もあってか、
未だに夢で自動ドアの前に立ち尽くす夢を見たりするし、
たまーに反応が悪い自動ドアがあったりするとビクってなる。