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ハニワ

2019/05/22

小学3年生頃に家族4人で旅行したときに
両親が買ったハニワが居間に飾ってあった。
ある日鼻の先端が欠けて落ちた。
夕食後の家族みんながいる前でポロっと。
何だか捨てるわけにはいかなくて、
そのハニワの傍らに欠けた部分を置いた。
次の日だったと思うけど、
俺は自転車に乗っておやつを買いに行く途中で
転倒し鼻を大怪我した。
左右の鼻の穴の仕切り壁部分と
右側の外側の壁を切って大出血したため、
病院に連れていかれ縫合した。
次の年にもまた勝手にハニワが壊れた。
今度は右肩部分が撫で肩になる位に割れてしまった。
もちろん落としたりしたのではなく勝手に割れ落ちた。
翌日、俺は学校の鉄棒から転落して
右肘を骨折してしまった。
思い返すとハニワは腕が生えてないヤツなので、
肩が欠けることで腕の怪我を示してくれたのかもしれない。
数年後、肩口から反対の脇に向かって
斜めにスパッと胴体部分が割れて倒れた。
さすがにこれくらいの怪我だと死にそうなのでドキドキするが、
俺にははもうなんの事か分かっていた。
友人のイジメをかばううちに
ターゲットが自分に向けられるようになっていたのだ。
そして自殺迄考えるほど毎日が辛かった時に、
代わりにハニワが死んでくれたみたいなものだった。
だがそれはどうやら勘違いだった。
俺は田舎育ちで小さい頃から
自分ちの山にある椎茸農場の手伝いをしていたのだが、
チェーンソーで木を切っているときに
自分の左足に跳ねてしまい、
チェーンソーで足を切ってしまったのだ。
考えたら腰から上のハニワなので、
足の怪我を表現するには
胴体部分で割れるしかなかったのだ。
これだけシンクロしてると
マズイものなのではないかとも思うのだが、
やがて高校に通うために下宿することになった。
しばらくハニワと離ればなれで暮らすことになった。
いつしかその存在が忘れがちになってしまった。
それもそのはず、それは居間ではなく
玄関を上がるとすぐにある
大広間のガラスショーケースに移されていたのだ。
それに気付いたのは
東京に就職するのが決まった頃だった。
まさに家族団らんの部屋から
外へ出ていくかのように思えて鳥肌が立った。
父の葬式で家中を片付けてしまい、
ハニワがどこにあるのかわからないまま東京に戻った。
間もなく仕事を辞めて
友人のアパートを転々と暮らすことになった。
半年位経つと母も余裕が出来たのか、
片付けてあったハニワを見付けて居間に置いたようで、
俺は都落ちして実家の田舎村に帰ることになった。
母はさすがにおかしいと思ったのか
ハニワを気持ち悪く思ったのか、
家から出してしまった。
納屋に片付けてしまったのだ。
今、俺はよその家でこれを書いてる。
長男で実家を継ぐつもりだったのに、
気付いたらムコ入りして姓が変わっちまった。
つまり実家から出てしまったのだ。
この先ハニワがどうなって、俺はどう生きていくのか、
楽しみに見ていこうと冷めた感覚で毎日を過ごしている。

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