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リアルな寝言

2019/05/18

姉の私と弟は9歳離れていて、
弟が4、5才くらいまでは一緒に寝ていた。
弟が麻疹なんかで熱が出てうなされた夜、
すごくリアルな寝言を聞いた。
「兄ちゃん、すまん」
という言葉に驚いて目が覚めて、
弟を見るとうなされてた。
私が
「○ちゃん!起き!お母さん呼ぼか?」
と言うと、目を覚まして泣き出したので、
すぐに母を呼んでその日は母親の布団で寝かせた。
その日から母と寝ていたが、
熱が下がって元気になったせいか、
2日後には夜中に
「やっぱりおねえちゃんと寝るー」
と言って布団に入ってきた。
私がうつらうつら眠りかけると、
小さい声でまたもぼそぼそ寝言を言うので、
しんどいのかと思い、抱っこして枕をすけてやると、
「全部○○(聞き取れなかった)に渡してあるねん」
と言う。
あまりにもリアルで、可笑しくなって
「ああ、わかったよ」
と言うと、コトンと寝入ってしまった。
次の日、
母に弟の寝言のことを言うと、
はじめは
「寝言に話しかけたら目が覚めんて言うから、あかんのよ」
と言って笑ったのに、
内容を話すと、ぎょっとした顔をして
「それほんまか?」
と言った。
父の会社の後輩で、
父を兄ちゃん兄ちゃんと慕ってた人がいて、
その人は前の年に借金苦で自殺した。
その人が亡くなった直後に、父の夢枕に立って、
「兄ちゃん、すまん。全部○○に渡してあるねん」
と言って頭を下げた、
という話を母は聞いていたらしい。
その○○というのは、
会社の取引先の名称だった。
本来なら父の会社が持っているべき仕事上の書類か何かで、
向こうにあっても問題ないというか意味ないものだけど、
こちらでは探しまくっていたものがあった。
父も当時、○○に問い合わせたが見つからず、
しょうがないのでその仕事は一からなんとかしたらしい。
1年も経ってその話が出てきたので、
母はものすごく動揺してました。
父にその話をして、
もう一度○○の担当だった人に確認して調べてたら、
亡くなった人の自宅に、
その他の書類と一緒に郵送されてて、
奥さんも仕事のことはさっぱりわからないので、
そのまま持っていた。
○○という名前は、
私はもちろん弟も聞いたことなし。
弟はそれ以降何も変わったことはなく、
寝言もないです。

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