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ばあちゃんから習ったまじない

2019/05/14

部活の合宿で、他の学校の奴も相部屋で寝てたときの事。
ある奴が急にうなされ始め、布団の上でのた打ち回り始めた。
で、起こそうと思っても全然起きない。
でもうなされ続ける。
その時起きてる奴等でどうするかと話し合ってると、
今まで寝てた変な奴が起きた。
そいつが布団の上をモソモソと四つんばいで移動し、
うなされてる奴の近くまで行くと、
人差し指と中指を立て、
寝てる奴の上をチョイと何かを切るように一回払った。
次いで指をチョキの形にして、
またも体の上を数回チョキチョキと切るような仕草をした。
すると奇妙なことに、
それまでうなされていた奴の眠りが急に穏やかになった。
その変な奴は眠そうにもそもそと自分の布団に戻ると、また寝てしまった。
俺たちは不安になって、うなされていた奴を起こしてみた。
で、話を聞いてみると、
「あかんねん…何か海の中に居てナ、白い物が一杯絡み付いてくるんよ。
俺、泳げたはずなのに、どんどん絡まるんよ。
息も出来ないし、必死で足掻いてたんだけど、
急に懐からナイフと鋏が出てきて、白いものが切れて助かったんよ…」
で、あくる朝、変な奴に話を聞いてみると、
「あー…ばあちゃんから習ったまじない」
とだけ言った。
結局、合宿はつつがなく終わったが、何とも微妙な出来事だった。

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