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予知夢女

2019/04/23

小学生の頃クラスの女で、未来の夢を見るという奴がいた。
女どもは予知夢を見てもらうのがブームとなっており、
きゃあきゃあ言って騒いでいた。
男どもは興味なかったが、それでもだいぶ騒がしく、
それならと俺たちも聞いてみた。
未来は一晩に一人分しか見れないとかで、
じゃあ順番にということになった。
結果、だいたいは高校や大学で普通の生活だった。
しかし、一人だけ死ぬという結果になった。
言われた男子は結構落ち込んでた。
俺は馬鹿らしいと思っていたのだが。
そして5年後、俺たちが高校1年の時、
その男子が死んだと連絡を受けた。
風邪をこじらせたとのことであった。
全然気づかなかったが、免疫系の疾患を持っていたらしい。
クラス全員が告別式に呼ばれた。
告別式の帰り、予知夢が本当になっちまったなと話した。
しかし、誰も予知夢の件を覚えていない。
男子だけならともかく、
ブームの中心にいた女子どもも覚えていない。
ならばと思い、予知夢の女に話を聞いてみた。
予知夢女は急に泣きそうな顔になり、
俺が予知夢の件を覚えていることを喜んだ。
予知夢女は俺と同じく、昔の予知夢の話を女友達にしたそうだ。
しかし、誰も覚えていない。
不自然なほど覚えていなかったそうだ。
告別式の最中、ずっと自分の頭がおかしくなったのではないかと心配したそうだ。
予知夢は中学に上がる頃には見なくなり、
そんなことも忘れていたという。
そして彼の知らせを聞いて、昔のことを思い出したらしい。
彼の母親からの話で、
死亡の状況は予知夢と酷似していらしい。
俺の予知夢も見てもらったはずなのに、
内容はほとんど思い出せなかった。
しかし、長距離を自転車通学するという予言は覚えており、
それは当たっていた。
他は全く覚えていない。

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