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違和感のあるエレベーター

2019/07/03

高校の時、マンションに住んでる
友達の部屋に何人かで遊びに行った時のこと。
そいつの部屋は最上階の12階にあって、
エレベーターで登って行った。
その時は、別に変な感じもなく、普通だった。
部屋にあげてもらい、雑談やゲームをしていたのだが、
菓子や飲み物買いにいこーぜって話になって、
じゃんけんで負けたやつが買いに行くことに決まり、
その時は6人いたが、俺含めた負けた3人が買いに行くことになった。
そのうち俺だけが自転車だったのだが、
カゴに荷物を入れようってことで押して歩いて行った。
まぁそれが間違いだったわけだが。
最寄りのコンビニで菓子とジュースを買いに行った俺たち。
部屋に戻るために、エレベーターに乗り込んだ。
その時に最初の違和感を感じた。
なんか生臭いというか、妙なにおいがあった。
「なんか臭くね?」
みたいなことを言ったんだが、
ほかの2人はわからなかったようだ。
そしてエレベーターが動き出す。
そしたら、誰かが呻いているような
「う~~…う~~…」
とか言うような声が聞こえるんだ。
「何かうなってない?」
と聞いても
「エレベーターの音だろ」
という返事で、やはり2人はわからないようだ。
そして、6階だか7階だかに1回止まった。
誰かが乗り込んでくるんだろうと思ったんだが、
誰も乗り込んでこない。
友達が
「故障か?」
とか言って『閉』を押す。
再び、エレベーターは問題なく動き出した。
12階に到着し、降りると、
違和感みたいなものや変なにおいみたいなのはなくなった。
俺自身、あんまり気にしなかったんだが、
友達2人が黙っていたので内心びびっていたんだろうな。
背後でエレベーターが閉じる音がした。
その瞬間、また
「うぁ~~・・・・・あ~」
といううめき声が聞こえたが、
振り返るのがイヤでそのまま部屋へと進んだ。
部屋のチャイムを鳴らしたとき、
俺は自転車の鍵をかけ忘れたことに気づいた。
「やっべ。鍵かけ忘れた!」
「大丈夫だろ。そんな長くいないし」
「でもこの辺よく盗まれるよな。○○も盗まれて捨てられてたっていうし」
「行って来いよ、すぐだし」
友達にそう言われるのだが、
さきほどのこともあり、一人で行くのが物凄いイヤだった。
が、友達の前でビビるのもイヤで、
「そうだな・・・」
と答え、行くことにした。
この時、俺は顔が真っ青だったかもしれない。
エレベーターへ行くときも、
緊張のためだったか吐き気がしていた。
心臓も高鳴っていたと思う。
エレベーターは幸いまだ12階にいた。
下ボタンを押す。
中には人がいた。
背広を着た人が後ろ向きで立っていた。
最初は、
「あっ、乗ってたんだ…」
みたいに一瞬感じたんだが、すぐに気づく。
エレベーターは動いてなかったはずなのに、
人が乗り込んでいた、
さっさと行けばいいのになんでここで待ってたんだ、
など不可解なことばかり浮かんでくる。
そして、俺は恐怖のあまり動けずにいた。
その間、その人はピクリともせず後ろを向き続けている。
しばらくして扉が閉まる。
気づくと汗だくになっていた。
どのくらいそこに立ち続けていたかわからない。
・・・が、再びエレベーターが開いた。
俺は心底ビビっていたが、
乗っていたのはさっきの背広の人ではなく、
初老のばあさんと中年の女性で、
俺のほうを訝しげに見てそのまま立ち去って行った。
とても下まで行けない俺は、
友達の部屋へと戻って行った。
さっき見たことを友達に言ったら、
「変なこと言うなよ~!怖くなるだろ」
と冗談っぽく言ってたが、明らかに動揺していた。
そんな怪現象見たこともないし、
聞いたこともないという……が、
明らかに何かを隠しているような素振りだった。
そのあと、ちっとも楽しめない俺は、帰りたかったが、
一人ではとても帰れず、陰気に時間をつぶしていた。
そして、その帰り・・・・・・
みんなと一緒にエレベーターに乗ったが、
特に変わったことはなかった・・・
が、一番奇妙なことが起こった。
俺は5人で来て、
マンションの友達とあわせ6人いたと思ってたんだ。
が、帰りは4人だった。
もう一人いたと確信していた。
が、どう見ても4人しかいないんだ。
「あれ?4人だっけ?」
と言っても、ほかの皆は最初からそうだろと言う。
記憶にあった○○という奴は、
「最初来るって言ってたけど、用事ができてこれなくなっただろー」
とのことだった。
確かに部屋にいたような記憶があったようななかったような
曖昧さだったんだが・・・
でも・・・確かに6人でじゃんけんしたはずだったんだ。

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