お婆ちゃんがいない
2019/04/20
以前、老人ホームで働いてた時の体験です。
消灯時間前、みんなを寝室なんかに案内するような時の話。
1人のお婆ちゃん(認知症、車椅子、基本的な生活動作は可、歩行は不可)が
食堂にいましたが、職員が順番に各利用者を寝室に案内している最中、
ふとお婆ちゃんがいないことに気づきました。
職員3人でフロア内を探しましたが見つからず、
有り得ないと思いつつも別の階の職員に聞いて探してもらったら、
なんと1つ下のフロアのトイレにいたそうです。
有り得ないのは、階を移動するためには
パスワードロックのかかった扉を開けないといけないこと。
開けられても、階段をお婆ちゃんが下りることはできないこと。
エレベーターもあるが、
操作するには同じくパスワードロックがかかっており、
加えて鍵付きの蓋までしてあること。
下の階でも同じように
消灯前で職員が歩き回っていたので、
気付かないのはおかしいこと。
下の階は自立度の高い人(要はボケてない人)が多いから、
気づく人もいたはずなこと。
などなど。
結局は、職員がエレベーターを開けっ放しにしたために
お婆ちゃんがその隙に下に行ってしまった、
ということで職員に注意が促されました。
が、上記のことからまず不可能なので、
上司も含めてほとんどが納得してはいませんでした。
真相は不明ですが、
下手に幽霊とか見るよりよっぽど怖かったです。