読書家
2019/03/27
俺が昔住んでいたマンションで体験した話を一つ。
俺はその夜「永遠の仔」を
朝からぶっ通しで読み続けていた。
俺の中で久々のヒットで、
ページをめくる手が止まらす夢中になっていた。
深夜二時くらいだったか、
いきなりキーンと凄い耳鳴りがした。
それでもストーリーが気になって気になって読み進めたんだが
キーンという音が次第に収まり
まったく何も聞こえなくなった。
ありゃ?
耳が聞こえなくなった。
まあ読み終わったらなんとかしよう。
と、そのまま読書に没頭してた。
しばらくしたら、
玄関で子供がひそひそ話す声が聞こえ始めた。
ワンルームだったので
俺が横を見ればすぐ玄関が見える。
だからホントすぐ隣で話し声が聞こえる。
なんだよこれ?と思いながらも
小説に夢中だったので無視
というかとにかく
永遠の仔がクライマックスに差し掛かっていたので
まったく気にならなかった。
意識は完璧に本に向いていたのだが、
子供のひそひそ話はまだ聞こえていて
三、四人に増えていた。
それでも俺は怖いというよりも
永遠の仔の虜になっていたので
自然に彼らを後回し。
とうとう物語もラストに近づく頃には、
俺の四方八方で十数人分のキャッキャッと
騒ぐ子供の声に取り囲まれていた。
いい加減耳障りだったので
「ウルセーんだよコラッ!」
と叫んだら、シーンとなったので
ああ良かったとそのまま永遠の仔を読み続けた。
読了した後、われに返り、
え?さっきの子供の声何だったんだ?
めちゃ怖えー
絶対お化けだっ!と思い
夜が明けるまで布団にくるまってた。
これマジ実話で思いだしても身の毛がよだつよ。