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ある公園のベンチ

2019/03/06

暑い夏の日でした。
俺は定時制の高校に通っててちょっと遠いけど、
自転車で40分ぐらいかけて通ってたんです。
いつも夜の九時頃に授業が終わります。
ちょっと剣道部に入ってたものだから十時半頃に終わって、
帰る時に友達が
「ちょっと腹減ったから、飯でも食わない?」
って言ってきたので食べに行くことにしました。
どうもその時から嫌な感じがしてたんです。
十一時頃に食べ終わってから、
友達はそこから家が近いので別れました。
自転車に乗って一人で帰ってるときに
目眩のようなものがしたので
途中にある公園のベンチにボッーっと
10分程座っていました。
そろそろ回復してきたので、
帰ろうと思い、自転車に乗って走っていると、
また目眩のようなものに襲われました。
でも道も暗いしこれ以上遅くなると、
怖いので頑張って自転車をこいでいました。
家まであと20分程のところに散髪屋があって、
もちろんこんな時間に誰も居ません。
散髪屋を通り過ぎるときに
店のガラスに自分の自転車に
乗っている姿が映りました。
でもなんか変な感じがします。
もう少し進んだところに薬屋があります。
もちろん誰も居ません。
店を通り過ぎる時に、
またガラスに映る自分を見ました。
その時、自転車の後ろの荷台に変な格好をした老婆が
俺の腰に手をまわしながら乗っていたのです。
でも自分の腰に手なんてありません。
怖いけど後ろを確かめてみました。
誰も乗っていません。
もう一度、ガラスに映る自分の姿を見ました。
確かに、変な格好をした老婆が荷台に座っています。
でも後ろを確かめてみても誰も乗っていません。
震えながらも自分の家に着きました。
また荷台を確かめます。
誰もいない。
家の中に入ると母親がきて、
「何時だと思ってるの?もう夜の三時よ」
と怒られました。
公園のベンチに座っていたのは10分程だったと思うのに。
俺は誰も居ない、
暗い公園で何時間も座っていたのか?
その時に老婆が憑いてきたのでしょうか。
その夜は怖くて寝れませんでした。

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