爪切り
2018/09/13
夏の事なんですけど、暑い中、客が来るということで、家の掃除をしていました。
で、押入れの整理に移ったんです。
押入れの中からはいろいろ物が出て来て、手に取ってはついつい懐かしむ…
そうやって片付けは長引きました。
一人暮しなんでまぁ出てくるっていっても知れたもんですが、その中にとても綺麗な模様の木の箱を見つけました。
何だろう?と思いつつ開けてみました。
中には大きめの爪切りだけが入ってました。
自分はこんなものしまった記憶はないので、とても不思議でしたが、そのまま押入れのそとに出しておくことにしたんです。
その夜、友達が来ました。
せっかく片付けた部屋はあっという間にちらかりました。
しかし自分は友達に帰れとも言えず、まぁ仕方ないかな、と思ってました。
そうして酒が入り、だんだん酔ってきた友達は、置いてあった爪切りの入った箱に手を出しました。
「ちょうど爪が伸び取ったで借りるわ」
と友達は手の爪を切り始めました。
カチッ、カチッ、爪を切る音が部屋に響きました。
すると友達がいきなり「ヒッ」と声を上げました。
フカヅメでもしたんだろうと思い、聞いてみると、
なんと、両手の爪を切り終わったとき、小指の隣に指があったと言い始めました。
酔ってるんだと私が言うと、彼は、自分の切った爪の塊を数え始めました。
そこにあった爪は…11個
さすがに私も気味が悪くなり、急いで近くの公園のごみ箱に爪と爪切りを捨てにいきました。
怖い夜でした