姉の見た死神
2019/02/08
もう、20年ぐらい前の話なんですが、当時住んでいたところで
立て続けに死人が出るということがありました。
もちろん、死因は別々だし、死人が立て続けに出ることなんて
あまり珍しいことではありません。
まぁ、年寄りばかりでなく年代も別々だったんですけど。
で、当時ちょっといっっちゃってた姉が、
「この街には死神がいる」
とか言い出したんですよ。
もともとアレだったし、私もそういうことは信用しない性質なんで
あまり気にしてなかったんです。
しかし、しばらくすると予言めいたことをするようになったんですよね。
「次は○○の××が死ぬね」
とか。
…はい、そうです。
その人死にました。
病気とか危ないとかいうなら
予測も立つんですけど、
別になんてことない元気な人でした。
死因を言わないし、疑わしいっちゃ疑わしいんだけど、死んだのは事実。
んで、怖くなったので姉を問い詰めることにしたんですよ。
いっちゃってる人間からまともな話が
聞けるかどうかってのもあったんだけど、
とりあえずね。
したら、
「死神がくるんだよ。寝てる時にね」
とか言うの。
死んだ人たちは、
「彼らは死神についていったんだ」
って。
死神は一人じゃなくて、団体なんだって。
ジェントルメンらしいよ。
でも、ちゃんとした死神じゃないらしくて、
ついていった人たちは永遠に「死ねない」ことになってしまうらしい。
死神の言うことがすばらしいので、ついていってしまうらしい。
んで、街から街へと渡り歩くんだそうだ。
そうやって仲間を増やすって。
しばらくして死神はいなくなったらしく、死人も減ったんだけど、
今姉にその時の話をしても(゜Д゜)ハァ?って言われるだけ。
まぁ、姉の症状と死人の多さはあまり関係ないと思うけど、
当時厨房だった私には((((;゜Д゜)))ガクブルでした。
【補足】
なんで姉が死ぬ人を知っていたかと言うと、
死神はついてこない姉に驚き、
感心していろいろと教えてくれたんだそうだ。
客観的に見るといろいろ矛盾しているんだけど、
本人は筋がとおっているらしい。
いっちゃってる人だったんで、細かいところは許してやって。