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赤いルージュ

2019/01/31

あれはものすごい寒い日のことでした夏と違って
周りの景色の色がやけに薄く感じたのですが
季節のせいだろうと思っていました
その日は仕事が遅くなり帰るころには
日が変わろうかというところにさしかかってました
朝感じた景色の色の薄さは街頭のうす暗い明かりで
いくらか感じられないように思いました
しかしいつもは何も感じずに
通り過ぎていた道にさしかかったとき
ふいに何かおかしいと思いました
街灯に照らされている部分だけ
「色がない???」
一瞬辺りを見回しました
街頭に照らされている私の周りだけ
色がほとんどついていない状態でした
街頭のせいとおもったんですが
そうではないようです
しかし恐怖感はありませんでした
なぜか不思議なことがおきている
それくらいにしか思っていませんでした
街頭が一瞬きえたんだとおもいます
びっくりして足元をみてしまいました
そこには赤いルージュがおちていました
色がないのに赤いルージュがやけに印象的でした
なにか訴えているようでそれを手に取ろうとしました
かがみこんだ瞬間
「や め ろ !」
うしろから声がしました
振り返ると
だれもいません
もういちど足元を見ました
・・・・・・何も な い ?
一瞬でどこかに行くはずもなく
辺りをみまわしました
不思議なことに
辺りの景色の色もいくらか戻ったように感じました
そこにいつまでもいてもしょうがないので
家に帰りました
家のマンションのエレベーターに乗った瞬間
あぁ
またかとおもいました
また色がありません
おそるおそる
足元を見ると
あります・・・
さっきの赤いルージュです
私はあせってすべての階のボタンをおして
最寄の階におりて廊下を走っていました
そして閉まっていくエレベーターの方から
「なぁっぁあ ぜぇぇぇ????!」
という感じの声が聞こえました
私は自分の部屋に駆け込み
ビビッていましたがその夜は何事もなく
その日は一睡も出来ませんでした。
あれはなんだったのでしょう?

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