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展望台に登る道

2019/01/09

10年程前の話
夜中に彼女と峠道をドライブ。
で、大きめの駐車場があったから立ち寄ったのね。
駐車場には他に車が一台停まってたけど、
人は乗っていないみたいだった。
「?」
と思って辺りを見渡すと、どうやら展望台があるらしかった。
んで、せっかくなんで行ってみっかと、山道を登って行った。
10分程登り、展望台に到着。
先客はいないみたいだったけど、
特に気にせず彼女とおしゃべりしていた。
ふと気づくと、展望台からさらに上に登る道があり、
なんだろうと二人で登って行った。
山道を登っていくと、上から一組のカップルが降りてきた。
「すみません、上になにかあるんですか?」
と、彼女がカップルに話かけた。
「あ、なんか上にも展望台があるみたいなんですが‥」
カップルの様子が少しおかしかったのが気になったが、
礼を言って道を登りかけた。
と、そのとき、
「あの、すみません」
カップルのほうから声をかけられた。
「駐車場に、自分とあなたがたの他に、車が停まっていませんでしたか?」
カップルに聞かれたが、
駐車場には自分らとカップルのものと思われる車しかなかった。
その事を告げるとカップルが青ざめた。
事情を聞くと、先ほど上にも展望台があるのに気づいて行ってみたが、
もう少しで展望台というところで、
展望台のほうから子供の声が聞こえてきたという事だった。
男のほうは先客だと思ったらしいが、女のほうが
「絶対に他に車なんてなかった」
と言って、引き返してきたらしい。
他に展望台に登る道があるとも思えず、少し興味が出て、
「一緒に確認にいかないか」
と提案し、展望台まで登ってみることにした。
そして山道を登りはじめたそのとき、
「キャハハハ」
かすかだが、山道から子供の笑い声が聞こえた。
声を聞いた瞬間、全員ダッシュで山を降り、
そのまま車に飛び乗って山を後にした。
山を降りる途中、カップルが叫んでいるのを聞いて心底ゾッとした。
「降りてきてる!降りてきてる!!」
そこには二度と行ってないから、なんだったのかはわからん。
山ってこわいよね。

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