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説法

2018/12/03

自分には3個違いの兄がいて、
小さい頃はかなりの暴れん坊だった。
ジャイアンをちょっと陰険にしたような嫌なガキで、
当然みんなから嫌われていた。
でも喧嘩が強いので何人か取り巻きのような友達がいて、
力の弱い子を見つけてはイジメていた。
そんな兄を見かねて、近所の坊さんがした話。
坊さんの父親(仮にAとする)は、
かなりいじめっ子体質だったらしい。
学校でも恐れられた存在で、気に入らない子がいると速攻イジメ。
特にひどかったのは小学4年の時、
時には暴力を振るったり、公園で全裸にしてみたり、
手首足首を縛ってプールに投げ込むなんてこともやっていたらしい。
そんなことを繰り返すうちに、ついには自殺者が出た。
短い遺書を遺したその子は、
あからさまな信号無視で車道に飛び出したのだとか。
遺書には両親への謝罪と妹へのメッセージ、そして最後の願いとやら。
『僕のお葬式は、Aくんのお寺でやってください』
両親はイジメのことは何も知らなかったから、
その通り息子の願いをかなえてやった。
Aは気味が悪かったけど、
その子の最後の復讐だろうと考えて鼻で笑ったそうだ。
そして遺族の頼みで、
まだ修行も満足にしていないAくんも読経に参加した。
遺族は喜んで帰っていった。
それから何十年か経ち、結婚して子供が出来、
寺を継いで幸せに暮らしていたA。
しかし、息子が小学4年になったとき、
急な脳溢血であっけなく亡くなってしまったらしい。
住職はそれを話すとニヤニヤ笑って、
「これは呪いよ。○○くんも大概にせんと、
呪い殺されてしまうけえ気をつけんさいや・・・」
と言った。
兄貴はびびってイジメをやめた。
そして、その後。
住職は、子供が小学4年になった時に事故で死んだ。
兄貴はびびって、今までイジメてた子全員に謝った。
そんな兄は現在26歳、子供は小学3年生の女の子。
「無事に4年生見れたらええねえ」
とこないだ無駄口を叩いたら、本気で嫌そうな顔をされたので、
多分いまだに怖がっているのだと思う。

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