奇行
2018/09/17
大学のころの話。
大学内にはちょっと同学年に有名な変な女の子がいた。
彼女はティディベアのぬいぐるみを持って歩いたり、日によって髪の長さが違ったり、軍服ベレー帽で現れたり、学業はとても真面目で成績は良かった。
3年の終わりごろ、就職活動でバタバタしはじめたころから彼女は少しおかしくなり、それまで自己完結していた奇行が周囲にあふれ出した。
自宅から通っているはずなのに、深夜に大学にいるのが目撃されたり、大学横の林の中をダッシュしている姿が目撃されたりした。
そして試験前のある日、私が友人と図書館に行くと、なぜか彼女は本を本棚から出して並べていた。
大きさ順に分類分けし、次は太さ順に分類わけ。
何してるの?と思ったけど、聞けるほど仲良くもなかったので友達と
「あれなんだと思う?」
「事務員さんに頼まれたとか…?」
事務員さんは遠くから見守っていた。
すごいのは、その本をまた元に戻したんだけど、どの本がどの順番で並んでいたか記憶しているらしく
「違う、この本の隣はこれ…この棚には21冊…」
とつぶやきながら完璧に元通りにしていた。
大学内の石造りの階段を犬みたいに手をついて駆け上がったりした挙句、食堂に置かれていたしょうゆとソース(小さい容器の)を一気飲みしてゲロり事務員さんに頭と足を持って運ばれていった。
それ以来卒業式まで姿を見なかった。
書くと面白そうだけど、実際は怖かった。
人の少ない時間に階段を上ってて、四つんばいで階段上ってくる彼女とあったりするともう…