死守りの声
2021/06/23
柔道五段、がっしりした体格で、土と汗のにおいのするでかい背中。日に焼けた顔。俺がろくでもないことをする度にぶっ飛ばされた、荒れた手。素直じゃなくて憎まれ口ばっかり叩いてた俺は、それでもやっぱりじじいが好きで、だから(自分なりに)親しみを込めてじじいと呼んでいた。俺が今も尊敬…
2021/06/23
柔道五段、がっしりした体格で、土と汗のにおいのするでかい背中。日に焼けた顔。俺がろくでもないことをする度にぶっ飛ばされた、荒れた手。素直じゃなくて憎まれ口ばっかり叩いてた俺は、それでもやっぱりじじいが好きで、だから(自分なりに)親しみを込めてじじいと呼んでいた。俺が今も尊敬…
2021/05/20
またどこぞの古い家の話。数子はある旧家の長女だった。旧家らしく、いろんなしきたり、決まりごとがあって、小さい子供には非常に住みにくい家だった。親戚もたくさんいて、盆や正月には多くの者たちが本家である数子の家に集まってきた。本家の筋に近く、年齢が上の者ほど偉く振舞う…
2021/05/17
私の一番古い記憶は三歳。木枯らしの吹く夕方、一人でブランコを漕いでいるところ。手も足もかじかんで、とても冷たい。でも今帰れば母に叱られる。祖母に迎えに来て欲しい、ここはいつも来る公園なのだからきっとすぐわかるはず。そのうち、風に揺られてるのかブランコに揺られてるのかわから…
2021/03/10
俺は小さい頃からすごくリアルな夢を見る。物の色や匂い、細部まで鮮明でBGMが付いてくることもある。昼間、その情報量の多い夢の内容をふと思い出して悶々とする事はよくある。そんな俺が最近見た夢の話。俺の父方の祖母とはここ二三年会ってなかった。俺の父と叔父さんとの兄弟仲がすごく…
2021/01/24
あるところに、父、母、祖母、娘という4人家族が住んでいた。父と母は非常に若いときに結婚し娘を生んだ。しかし、どうしても男の子が欲しくて毎日がんばったのだが、なかなか子供はできなかった。半ばあきらめかけたころ、その執念のような願いが叶い、待望の男の子が産まれた。…
2020/12/13
小学生の頃、人間は死んだ後に数十グラム減ってそれが魂の重さっていう眉唾な話を授業中に担任が話した。海外で本当にあった実験らしいのだけれど、小学生に何余計な話しをしているんだと今にして思う。その日の放課後、当番で教室の掃除をしていた時に同じ当番のクラスメートがその話を蒸し返…
2020/11/29
よくある話といっちゃーよくあるんだけど・・・地元にね、『絶対見てはいけない祭』がある。どんな祭りかっつーと、神社から三日間かけて三つのルートを一日夕方の2~3時間をかけて大名(?)行列が歩く・・・タダそれだけのお祭りらしい。実際関係ない地区に住んでたし、見た事ないから本当かどう…
2020/10/08
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これを誰かに話すのははじめてなんだが、暇な奴は聞いてくれ。俺が小学5年の頃の話だ。東京で生まれ育った一人っ子の俺は、ほぼ毎年夏休みを利用して1ヶ月程母方の祖父母家へ行っていた。両親共働きの鍵っ子だったので、祖父母家に行くのはたいてい俺一人だったが、初孫だった俺を祖父母はいつ…
2020/10/07
これは今から20年ほど前に、私が悩まされた体験です。当時私は24歳の会社員で、一人暮らしをしていました。名義が祖母の物件だったので、家賃は格安。経済的にも恵まれていて、快適に過ごしていました。この頃、私には交際歴3年目になる19歳の彼女がいました。彼女は私が一…
2020/10/01
父方の祖母が亡くなった時のこと。通夜の時、親戚が座る席に見知らぬ男性がいた。父方の親戚たちは毎年集まる習慣があったのだが、その男性の姿は一度も見たことがなかった。母にそっと「あの人誰?」と聞くと、父の兄だという答えが返ってきた。当時私は小学生だったので…
2020/09/25
私には双子の姉がいます。これは私達が10歳の頃の冬休みに、家族揃って父の実家へ泊まりに行った時の話です。そこへ行くのは本当に久しぶりで、年の近い親戚や祖父母に会える事がとても楽しみだったのですが、まさかあんな怖い事が起こるだなんて思いもしませんでした。父の実家…
2020/07/27
中学もまもなく卒業。高校受験も半年後に控えている。といったタイミングで修学旅行がありました。この時ばかりは、受験間近でいつもピリピリしているクラスメイト等も楽しそうにしていた記憶があります。さて、自分が産まれた家は、私の宗派と関係ない寺や神社に絶対に入ってはいけない、…
2020/07/24
ゴールデンウィークに孫たちが帰省しなかったことへの寂しさからか祖母が電話口で興味深いことを言ってた。子供というのは何かに執着を見せるものだ。その対象は、水、火、石だ、と。男児に多いとも言ってた。それぞれに危険があり、その子が何に執着をみせるのか知るためにも、…