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廃ホテルの怪現象

2023/03/12

他の人にとっては怖くないかもしれんが…自分の中で超怖かった体験をひとつ。

ある日俺、先輩、同級生、後輩(♀)の4人で遊んでいて、地元でまぁまぁ有名な心霊スポットの廃ホテルに行くことになった。
外は真っ暗。夏だったので暖かく空は快晴で無風。星がすごくきれいだった。
その廃ホテルは市街地からはずれた少し山の中にあり、人気はほぼない。

んで、俺たち4人は先輩の車に乗り込みその廃ホテルへ向かった。
運転席に先輩、助手席に俺後部座席に同級生と後輩が乗った。

20分くらいして廃ホテルについたんだがこれがまた怖い
シーン…としたなかに虫の鳴き声…ホント怖い…。

ホテルっつかラブホなんだけど、作りは古くさい感じで2階建て。
5部屋あり全て屋外から入るタイプで5つの車庫のシャッターと部屋への入り口がついている。
向かって右側にフロントがあり、たぶん車庫に車を入れて部屋に入ったら従業員が金を徴収にくるシステムだったのかもしれない。
周りには何もないんだけどホテルに向かって左側に一軒家があり、たぶん管理人の家?なのかと思う。

敷地内に入る入口に盛り土がしてあり車での侵入が不可能だったので、そこに車を止め少し歩いた。
まずは右にあるフロントを見に行った。
中は荒れ果てており無残な姿。トイレにはなぜか新しめのうんこがあった笑(誰かきてしていったのか…ww

んで、早速部屋の探索。
部屋は5つあるってのはさっきも記述したんだけど、ここが心霊スポットと呼ばれる由来がこの5つの部屋のどれかで殺人事件があり壁に血が飛び散っている…という噂なのだ。
(俺も噂を聞き流してた程度だったんで、おばけが出るとかそういう話しはわからん)

まず一つ目の部屋に入ろうと思ったんだけど、ここで一つ気づいた。

明 か り が な い

無計画に来てしまったため懐中電灯などもっているわけもなく…笑
ポケットを探ると100円ライターがでてきたのでそれを消さないように慎重に歩くことにした。

一つ目の部屋のドアを開けるとアルミ製の窓付きドア(ガラスは割れてしまっていてもうついてない)がギャギャギャギャとすべり悪く開いた。
入るとすぐに階段があり2階が部屋になっている。
俺が先頭になり100円ライターの明かりひとつで階段を上がる…

古くさい壁紙が張ってある木製の扉を開けると部屋が現れた。
廃墟になって長いのもあるけど、もう荒れ果てている。
隣の部屋はお風呂になっていて、まー普通に廃墟って感じで特に何もなかった。

3つ目の部屋まで見終わって「何もないっすねー」なんて話してた。
ところが4つめの部屋の前まで来たとき急に心臓がバクバクしだした。
背中?肩?がゾクゾクして俺は直感的にヤバイと思った。

「先輩…この部屋やばいです…ちょっと飛ばしませんか…」
と俺の様子を察してくれたのか首を縦に振ってくれた。
別に霊感があるわけじゃないし霊が見えるわけでもない。
でもなんか黒いものがグオグオと渦巻いているような感じがした。

5つ目のドアの前に立ったが全く何も感じない。
5つ目も一応見てみたが特になにもなかった。

んで最後に「せっかくだしこっちの家も見ていこうぜー」ってことで隣の一軒家も見ていくことになった。
玄関ドアは外されて、一応入れないようにと玄関に介してドアを横にした状態で置いてあった。

外から見ても家の中は真っ暗で全然わからなくて吸い込まれそうな感じがした。
正直すごく怖かった。
でもみんないるし俺も怖さより興味が勝っていたんだと思う。
これ荒したら何かの祟りがあるんじゃないだろうか…
このドアは封印になっているのではないか…
パニックになりかけた俺はおもむろに家に近づくと

そのドアをブン投げた

ドアは舞い、ドゴスッという音と共に雑草の中に落ちた。
人間パニックになると何をやりだすかわからなくなる瞬間である
(あ…やべえええええ!!やっちまった!!!)なんて思っていると先輩がズカズカと中へ入っていった。
同級生と後輩が入って俺も中に入る。

入るとすぐにリビングルームがあり、家具もない広い空間の中にガラスが散らばっていた。

「うわああああああああああああ!」

先輩がいきなり叫んで家を飛び出していった

「え?え?」

俺、後輩、同級生は何が起きたかわからず慌てて家を出ようとする。
すると

ガシッ

「えっ…?」

何かに掴まれた。
…と思ったら剥がれた部屋の壁のベニヤ板が俺の左腕に引っかかっていた。

「なんじゃ!!!破ァッ!!!」
と力を入れるとベリバギャッッッ!とベニヤが折れて何とか脱出。
そこで外に出た俺たちに先輩が一言

「びっくりした?ww」

この時は正直言って殺意芽生えたね。
「は?殺すぞこのクソガキ」って感じだった。
マジでベニヤ怖かった。

「ま、帰るか」ってことで車に戻り後部座席に同級生と後輩をのせ、俺と先輩が乗ろうとしたときそれは起こった。

バタバタバタバタンッッッ!!!!!!!!

俺「…!!??!??!?!??」

ものすごい勢いで、しかも連続でドアが閉まる音がした
音から察するに内側の木製のドア…

今日は無風だ。
風で閉まるとは考えにくい、しかも全部同時に。

俺「せ、先輩…聞きました…?」

驚いて目を見開いたまま無言で頷く先輩。
俺たちはマッハで車に乗り込み、ものすごい勢いでその場をあとにした。
もうちんこ縮み上がって小便ちびりそうになった。

帰りの車の中は「うわぁーやべえやべえやべえ!!!」とか
「ついてきてないかおい!」とか
「ドッ、ドドッドアが…!」そんなこと言ってた気がする。

次の日の早朝、先輩から電話が来た。

先輩「なぁ、念のため確認しにいかないか…?」
俺「え…あそこにですか…?」
先輩「本当にドアが閉じたのかどうかさ」
俺「んー、明るいしいって見ましょうか…」
ってなわけでもう一度廃ホテルに行くことになった。

先輩が車で迎えに来てくれて、20分くらい走らせるとまたあの建物が見えてきた。

俺「うわー、明るいのに怖いですねここ…あれ?」

ここで俺は違和感を覚えた。なんだろう…

俺「あ…あ…」
気づいてしまった…
俺「せ、せせせ先輩…」
俺「昨日の夜俺がブン投げたドアが元に戻ってます…」

洒落にならないくらい怖い話しではないかもしれないけど、マジで小便出そうになった。
いま思い出してもブルッとくる。
もちろん車を止めずにそのまま走り去りましたよ(笑

4番目の部屋に入ってたらどうなっていたんだろうなーと今でも考える時がある。

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