コンビニに出る幽霊
2022/03/30
深夜バイトを始めて2年経った頃、近くのコンビニがオープニングスタッフ募集をしていた。給料もいいし家から近いのでそこで始めてみる事にした。
働くまで知らなかったんだが深夜一人で、週4で働いてたから、常連なんかはすぐ覚えてしまった。
その中に一人、凄く綺麗なお姉さんがいた。明るくて笑顔が可愛くて話も面白い。俺はいつしか彼女を好きになっていた。
ある大雨の日、全身濡れた状態でやってきた彼女に自分のタオルと傘を渡して、俺は言った
「俺と遊びに行きませんか?おっけーなら朝にでもタオルと傘を返しに来てくださいよ」
彼女はほほ笑みながら帰って行った。
でも彼女は来なかった。
なんだよ…それ。とか思いながら家に帰り→大学行って→バイトという生活を3日程続けたが彼女はもう来なかった。
ある日、深夜に客がいなくなったので事務所で煙草を吸いながら監視カメラを見てた時の事。なんと彼女が店に入ってきたのだ。
正直いまさら気まずいな、とか考えていると彼女はおもむろに惣菜コーナーに行き、袋を破りガツガツ食い始めたのだ。
ちょっと待てよ!俺は焦り全力ダッシュ。店に通じるドアを開けると店内には誰もいない。なんだったんだ?
その謎は朝刊で解けた。彼女は店の近くのマンションで一人暮らししていて、大雨の日にコンビニで買い物をして帰った時に玄関で足を滑らせ転倒。首の骨を折って動けないまま餓死したらしい…