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振り袖火事

2021/03/06

振り袖火事と呼ばれる火事が江戸時代にあった。2日間も燃え続け江戸の大半が焼け野原になったというとんでもない大火事だが、この火事の原因についてはいろんな憶測や説がある。

三箇所から出火しているので公儀によっての焼き払い説まであるんだが、振り袖火事と呼ばれるようになったのは、出火当日、本郷本丸の本妙寺で『変わった供養』が行われていて、江戸でちょっとした話題になっていたからだ。

その供養というのは一枚の『振り袖』を焚き上げるというものだった。紫縮緬地に波の砕ける磯と菊を染め出し、桔梗の紋を付けた、それはそれは豪奢な振り袖だったらしいが、この振り袖にはいわくがあった。

この振り袖の来歴は、まずはウメノと言う遠州屋彦左衛門の娘。この娘が一家で花見に行ったのだが、ここであまりにも麗しい寺小姓(寺のお稚児さん)を見かけて一目惚れしてしまい、親にねだってこの小姓が着ていたのと同じ柄の振り袖を仕立てさせた。

それを抱きしめたり話しかけたりして居るうちに、想いが高じて病みついてしまった。親は娘が片思いで恋煩いにかかったと知り、どうにかしようと小姓を探したが見つからなかった、そうこうしているうちにウメノは、日に日にやせ衰え枕があがらなくなり、正月についには想い死にしてしまう。

親は本妙寺で娘の供養をしたあと、その振り袖を寺に寄進した。寺としては女物の振り袖などどうしようもないので出入りの古着屋に払い下げた。ところがこの一年後の正月にまたこの振り袖が本妙寺に戻ってきた。

今度は、おきのという紙商の大松屋又蔵の娘の棺に掛けられて運び込まれた。そしてまたおきのの親も、娘が大切にしていた物ですのでと寺にこの振り袖を納めた。寺もよもやとは想いながらも、また古着屋に払い下げる。が、また一年後の正月、またまたこの振り袖が掛けられた棺が寺に運び込まれた物だから、寺僧たちも肝をつぶしてしまう。

今度は本郷元町の麹商の喜右衛門娘、おいくというまた年若い娘だった。さすがに寺もこれ以上この振り袖を払い下げることもできず、焚き上げてウメノの供養をすることにした。

僧たちが読経しながら振り袖を火にくべると、突然風が巻き起こり、火のついた振り袖を天高く巻き上げた。この振り袖が本堂に落ちるや、棟木に燃え移り、大騒ぎしている町人たちが見ている間に本堂が火に包まれた。この火が周りに燃え広がり、明暦の大火になったと言われている。

まあ、講談みたいな作り話だとは思うがこういう話があったりする。

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