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心霊スポットの祠

2021/02/25

俺には5年前Sという友達がいた。

Sとは高1の時に出会い、Sはオカルト話が大好きで俺もオカルト話が大好きだったので、同じオカルト仲間としてよくつるんで一緒に心霊スポットとかも行ったりしてた。

でも俺は部活をやっていたのでSは日頃からよく一人でいろんな場所に行っていたらしい。

そんなある日曜日、俺が部活の試合が終わり携帯を見るとSから「話したいことがあるで今から俺の家に来てくれやん?」というメールが来た。

俺は正直試合で疲れていたので「話って何?今日疲れとんで明日学校じゃ無理?」と返すと、どうしても今日話したいとのこと。

俺はめんどくさいなと思いながらも何か面白い場所でも見つけたんじゃないかと思い内心ワクワクしてた。

Sの家に着きワンギリ。するとSが出てきて
S「おう、疲れてる所悪いな。まあ上がれよ。」
意外といつも通りのS。
俺は少しがっかりしながらも二階のSの部屋へ。
Sと軽く雑談をした後俺が本題の方へ切り出した。

俺「ところでさー、話って何よ?」
Sが少し黙った後話しだした。

S「俺さー今日暇だったから心霊スポットとして有名な○○山に行ってきたんだよね。」

S「んで○○山に着いたんだけどまだ真っ昼間て事もあって全然怖くないのね。だからこのまま帰るのももったいない気がして側に登山コースがあったもんだから何となく登ることにしたんだ。」

俺「登ったのかよwこのご時世で日曜日に一人で山登る高校生なんておまえぐらいだよw」

S「うるせーよw記念だよ記念。まあそれでさーいざ登ったんだけど全然面白くないんだよね。んであー暇だなー思いながら歩いてるとふと一本の獣道を見つけたのね。俺せっかくだからその獣道を行くことにしたんだ。」

S「またそれがけっこう長い長い。すぐ行き止まりになると思ってたからさすがにちょっと不安になってきた。そしたらやっと道の最後に出たんよ。そしたら案の定行き止まりだったのね。俺結局これかよと思って引き返そうとした時にその行き止まりの所に人一人分入れる穴があいてたのに気付いたんよ。それでさー何か冒険心くすぐられて俺入ったんだよね。」

俺「入ったのかよ…おまえ勇気あるな…」

S「それでしばらく行くと急に広い空洞に出たんだよね。そこに何があったと思う?」

俺「何があったの?」

S「祠だよ。祠。ぶっとい綱に囲まれてた所の中心に祠が立ってたんだよ。」

俺「マジかよ…何か映画みたいな展開やな」

S「俺も最初信じれんかったけどね。んで俺その祠に近づいた。その祠には小さな引き戸がついていて札が貼りつけてあったんよ。俺、ここまで来たらやるしないと思って札をはがし引き戸を開いた。…何があったと思う?」

俺「…何があったの?」

S「…生首だよ生首。いや正確には頭蓋骨…その祠には頭蓋骨がまつってあったんだよ。」

俺、それ聞いた瞬間背筋に悪寒が走ったのを今でも覚えてる。

S「…しかもさ、その頭蓋骨がまた少し変なんだよね。何か少し人間の頭蓋骨と変わってるような…。いや…まあ見たの一瞬だったし人間の頭蓋骨自体見た事ないから俺の気のせいだとは思うんだけどね。」

俺「…おまえ…それ絶対やばいって…。」

S「やっぱやばいよね…?俺も見た瞬間これはやばいと思ってすぐ戸を閉めて札貼り直して何度も謝った後逃げるように帰ってきたんだけどさ」

俺「おまえ、そんなんで済むかよ!明日学校終わったら神社行ってすぐに神主さんに事情話しておはらいしてもらえ!俺もついて行くからさ」

S「おーそうするわ。ありがとうな。」

結局それで俺は話を聞き終わった後、けっこう時間がたってたので後味悪いまま家に帰った。

次の日、担任から隣のクラスのS君が亡くなったと聞かされた。俺は半狂乱になり担任に聞くと担任も詳しくはわからないとの事。

俺は授業をサボりSの家へ行った。Sの家には警察がいて中に入るのを止められたが、俺を見かけたSの母が中に通してくれた。

号泣しているSの母に思いきって聞くと朝Sの母がいつものようにSを起こしに行くとベッドの上でSの首から上がキレイになくなってSが死んでいたらしい。

俺は頭が真っ白になった。鑑定した結果その死体はSだと判断されたが頭は結局見つからなかったそうだ。俺とSの家族は警察に決して口外しないように強く口止めされ未解決事件として闇に葬られた。

俺はこの話を一生するつもりはありませんでした。じゃあ何故5年たった今俺はこの話をしたのでしょう。

実は最近よく同じ夢を見るんです。祠の横で笑いながら手招きしているSを…。Sの頭はおそらく祠にある事でしょう。俺は明日地元の有名な神社の神主さんに全部話すつもりです。

後日談。

一応今日神社の神主さんに全部洗いざらい話してきたので報告しますね。
簡潔にいうと神主さんいわく
・今の俺からは怨念や呪いといったまがまがしいものは特に感じられないとのこと。
・奉られていたという事から(神主さんもよくは知らないらしいが)昔この地方では恐ろしい行事や習わしが存在したらしくその中の一つの可能性もあるとのこと。
・Sの母にはまだ話さない方がいいとのこと。
・必ずしも霊的なものが関わってるとは決めつけないこと。
・夢の件に関してはとにかく気にしないようにしもし内容に変化が見られればすぐに連絡すること
等を言われました。

そして来週の木曜日にその神主さんと神主さん仲間の方と俺と三人でその祠とやらを調査しに行くことになりました(俺は行かない方がいいと止められたが強く頼みこんで同行させてもらう事になった)。

俺はそれまでにとりあえずこの地方にあったという恐ろしい行事や習わしについて調べることと、神主さん方々に無駄足を踏ませたくないのでその祠のある場所をある程度特定しようと思ってます。

ではそれでは。

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