教室の床に人の頭が見えた
2021/02/03
同級生から聞いた話です。
高校3年の時、彼は吹奏楽部の部長さんでした。吹奏楽部は、放課後旧校舎の教室を全室借りて、楽器のパートごとに練習します。そして、下校時刻には部長が全教室の戸締りをするのが決まりでした。
その日も、いつも通りに彼は教室を見回ります。部員のみんなはすでに部室(旧校舎の隣にあるプレハブ)に戻っているようで、旧校舎には人の気配がありません。彼は3階、2階と見回り、残すは1階の2教室のみ。そこで、彼の足は止まりました。
向かって右側に教室があるのですが、扉が開いており、そこから黒くて丸いモノが落ちています。もう校舎は明かりが落とされていて、光源は校舎の隣にあるプレハブ(部室)の明かりだけでしたが、よく眼をこらしてみるとそれは人の頭に見えました。床に寝転んで、廊下に頭だけ出してる格好のようでした。
彼はてっきり部員の一人だと思い、
「おい、早く教室に戻れよ!」
と言いながら近づいたのですが、どうもおかしいなと思いました。その頭は異常に大きいのです。普通の頭の2倍はありそうでした。3mぐらい近づいて見ると、彼に背中を向けて横たわっているようでした。
霊感のある彼は、「ヤバイ!」と思ったそうですが、時すでに遅し。逃げようと思った彼よりも、そいつがこちらに顔を向ける(寝返り?)方が早かったのです。
彼は、「そいつと目がバッチリあった。後は部室に逃げ帰ったからわからない」と締めくくりました。私も怖い話は大好きで、いろいろ話を聞きますが一番この話が怖かったです。