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逆探知機

2020/09/13

ある女性が気味の悪い無言電話に悩まされていました。

「もしもし?」
「………」
「もしもし?」
「………」

いつもはここで恐くなって
電話を切ってしまうところでしたが、
我慢できなくなって、彼女は叫びました。
「いい加減にしてよね!」
すると受話器のむこうから、
押し殺したような声が聞こえたのです。
相手が喋ったのはこれが初めてでした。

「…殺してやる…」

さすがに恐くなって身の危険を感じた彼女は、
だめでもともとと警察に相談してみました。
ところが最近は、そういったストーカーの犯罪が
深刻化しているためか警察は詳しく話を聞いた上で
彼女の電話に逆探知機を設置して
捜査を行ってくれることになったのです。

次の日もやはり、無言電話はかかってきました。
慎重に受話器を取り上げ、耳に押し当てる女性。

「もしもし?」
「…殺してやる…」

昨晩のあの声でした。そのときです。
彼女の携帯電話が鳴りました。警察からです。
「すぐに部屋から出なさい!」
「は?」
「無言電話はあなたの家の中からかかっています。
犯人はあなたの家の2階にいるんですよ!」

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