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古びた一軒屋に飛び込みの営業

2019/10/07

昔、今とは別の仕事してた頃の事。
その日はいつもいる支店とは違う支店エリアでの営業で、渡された地図片手に歩いて飛び込みの営業の仕事だった。
目的のエリアに着いて「さて行くか」と歩き始めてしばらくすると、地図では黒く塗り潰されていた1軒の近くで足が止まった。
「…あれ?誰かいる…?」そこは古びた一軒家で、カーテンで中はわからないはずなのに、なぜか『いる』と確信。
「こんにちわー!」玄関前で何回か呼んでみたが返事がない。
出てこないか…とちょっと引き返したその瞬間、「何か御用ですか?」と、その家の中から声がした。
家の中からお婆さんの声がして、慌てて戻って話を始めたが、なぜか玄関は開かないまま話は続く。
自分「玄関、開けてもらえませんか?」婆「…私じゃ開けられないんです。力が弱いもので。…ところであなた、私と話してて不思議に思わないんですか?怖くないですか?」自分「???別に何も…?」自分「お一人で住んでらっしゃるんですか?」婆「いえ、住んでるって訳じゃないです」自分「え?通ってるとか…?」婆「そうじゃなくて…。前はお爺さんが一緒にいたんですけど、ずっと前に遠くに行ってしまって。私もそこに行きたいんですけど、自分ではどうしようもなくて…」自分「じゃあこれ外から…?その閉めた人に言ってきましょうか?」婆「近くにいる〇〇さんなはずですけど…いいんですか?」自分「だって行きたいんですよね?」婆「…はい。一人はもう…。じゃあ、すみませんが…」で、その言われた家に行ったら、主人から話し出す前に開口一番言われた。
「今あの家に行った?あそこには誰もいないはずだが、誰かいたかい?」それでさっきのお婆さんとのやりとりを話した。
おじさんは緊張した面持ちで聞いていた。
そして、「わかった。後でちゃんと開けておくから。ところであんた、幽霊とか見えるのかい?」自分「いえ、全然。見たことないですww」おじさん「今まで一度も?ふーん…。変わった力だね」とりあえずお昼だったので、支店に帰っての報告でその話をしたら、「ついにやっちまったか!」とみんな大騒ぎ。
ちなみに自分がこのお婆さんが幽霊だったと知ったのは、10年近くたってからの事だった…OTZ

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