心霊スポット側の工場で夜勤バイト
2019/09/23
実際自分が何かされた訳じゃないけど、唯一の霊体験の話。
2年程前に、超有名な心霊スポットのすぐ側の工場で夜勤バイトをしてた。
その工場内でも幽霊が頻繁に出現し、触られたり声を聞いたり見たりして辞める人が多くて、そのせいかかなり時給が良かった。
バイトなのに月20万以上余裕で稼げて、静かだし自分的にはかなり良い仕事だった。
同時期に入った人もそれでほとんど辞めちゃったけど、自分は一切体験しなかったし。
工場は2階建てなんだけど2階が特に酷くて、自分は1階勤務だったからかもしれないが。
でもバイト始めて2ヶ月位した時、あんまりにも被害があったから2階のお払いしてお札を貼っていた。
お札は自分も実際に見た事ある。
盛り塩もしてた。
その頃、2階の人員が足りなくて助っ人として駆り出される事になった。
仕事上、手元以外は真っ暗にしなくちゃいけないんだけど、そこで夜中に自分一人で仕事する事もあった。
全然平気だった。
むしろ静かだし周りに気を使わなくて良いから天国だった。
他の人は一人が嫌だから、最低でも2人で仕事するように上司に頼んでいて、ある日、自分ともう一人で仕事をする事になった。
その日、仕事を始めてしばらく経った時、もう一人の人が自分の手の甲をとんとんと指先で叩いて来た。
なんだろなと相手を見たら、真剣な顔で「後ろ…引っ張られてる」と呟いた。
背中を見てみたら、本当に誰もいないのに背中の肩甲骨のあたりがくの字になって引っ張られてた。
正直めんどくさかったし自分に実害が無いし、相手の事をあまり好きじゃなかったから放っときたかったけど、仕事してもらわないとその日の目標が終わらない。
渋々引っ張られてる服の部分をチョップして幽霊から離してやり、背中をパッパと払ってやった。
「あんたらのせいで仕事忙しいんだから、ふらふらしてないで少しは手伝ってよ」と背後に言って仕事に戻った。
その日いつもは調子が悪い機械が一度も停止せず、目標を余裕でクリアできた。
「幽霊のおかげかもねー」と笑いながら後片付けに取りかかろうとしたら、もう一人はかなり怖かったのか先に帰らせて欲しいと言うので、後片付けも大した量じゃないし、残りを引き受けて先に帰らせた。
後は一人で作業したけど特に霊現象も無く、帰る時に「この調子でこれからもよろしく」と言って帰った。
それから自分がそこで作業する時には、調子が悪い機械が停止する事は無くなった。
1年働いたけど、不況の煽りで受注が激減して退職者を募る事になり、その春に専門学校に入り直す予定でお金を貯めていたので、有給と退職金が出ると言う事で素晴らしくタイミングが良かったので、辞めさせてもらった。
最近その工場はまた受注が増えてきてバイトを募集していて、元上司から自分の所にも連絡が来たけど、学校に入る時に地元を離れているので断った。
その時に聞いたけど、やっぱり2階にはまだ幽霊が出るらしく、しかもお払いしたせいか、そのお払いが効いた細々とした霊が1階に下りたみたいで、1階でも頻繁に目撃情報が出ているそうだ。
元上司もやつれてしまったそうで、「喪女さんに戻って来て欲しいよ…」と言われ迂闊にもときめいてしまった。