映画撮影
2019/03/18
真夜中に電話で友人がしやがった話。
そいつの友達のAは映画研究のサークルか何かに入ってるらしいんだけど、
ある時ホラー映画を撮影することになったそうだ。
で、美人で有名なCさんという女性を幽霊役に起用した。
撮影はまず、Cさんの自宅をロケ地として行われた。
長い髪を垂らして、白装束(まるでリングの貞子のような格好)を着たCさんを玄関に立たせ、
幽霊が家に入ってくるというシーンの撮影から始めた。
玄関に面した廊下に監督のAとカメラのD、演出のMが位置し、Cさんと向き合う状態で撮影は行われた。
撮影中、突然Mが「誰かに見られてるような気がする」と言い出した。
廊下はリビングに繋がっていて、リビングの入り口は簾が掛かっているのだが、
Mは「誰かいませんか?」とひたすら言い続けていたそうだ。
Aが振り向いて後ろを向くと、本当に簾から誰かが覗いていた。
長い髪を振り乱して、服は真っ白の装束のようで…
そう、顔は見えないがまるでCさんにそっくりの格好をした人物がそこに立っていた。
当然AはCさんかと思い、声をかけた。
だが、玄関からリビングへ繋がっているのはAたちのいる廊下しかなく、
Cさんは玄関を離れていないため、まずそんなことはありえない。
Aが声をかけたのでCさんは何かと思い
「どうしたん?何かあった?」
と、もちろん玄関からAに向かって言う。
Aは何がなんだか分からず、リビングの方を向いたがやはり、
Cさんと同じ格好をした誰かがじっと覗いている。
Mは気分が悪いと言い出し、その場は大パニックになって撮影は中断された。
Cさんにそのことを言った時には、
もうその「誰か」は消えていたらしいけれど、
家の中には誰もいなかったそうだ。
映画はまだ撮影途中らしい。
それ以来その「誰か」は出現していないそうだが、撮影中、急にカメラの調子が悪くなったり、
ライトが消えたりいろんなことが起きているそうだ。
だがCさん本人は到って何もないそうだ・・・。