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オッサンに耳打ちしている女

2019/08/27

去年の話なんだけど、海の角台に座って打ってたら、自分と左隣のオッサンの間に誰かが身を屈めた。
多分オッサンの知り合いがオッサンに耳打ちしてんだろうな~って、目の端っこと台のガラスにチラチラ頭と髪の毛が映るけど、気にしないで打ってた。
でも、なんかよくわかんないモヤモヤするっつーか、腑に落ちないっつーか変な気分になって、ちょっと席を離れようと思った。
台に玉を置いたまま立ち上がって通路に出るとき、チラっとオッサンを見たら、そのオッサンの肩に頭を置くぐらい密着して腰を屈める女がいた。
何を喋ってんだろ、くらいにしか思わなかったんだけど、コーヒー買って戻ってきたら、その女はまだそのままオッサンに話かけてて、はっきり言ってウゼェ!って思った。
で、ちょっと自分の台に座るとき、オッサンと女を軽く睨みながら迷惑そうな表情(自分なりの)をしてみた。
そしたら変な事に、女が一生懸命オッサンの耳に喋ってるんだけど、オッサンは返事も相槌すらしないで打ってんだよね。
なんだろう、何を喋ってんかな、とコーヒー飲みながら席から体をちょっと傾けて聞いてみようとしたら、いきなり大音量で左耳に「早く死んで早く早くい早く早く死ねはやk」って聞こえてきて、盛大にコーヒー吹いた。
げほげほむせてたら、オッサンが大丈夫か?ってティッシュくれた。
オッサンを見たらその女はもういなくて、左耳からもいつものパチンコ屋の雑音が普通に聞こえてた。
女の声らしきものを聞いたときは、雑音はシャットアウトされたみたいになってたんだ。
良いオッサンにみえたけど、なんか怖くて上皿の玉をさっさと消化してすぐに帰った。
今でも思い出すと気持ち悪い。

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