小さな公園で開かれる夏祭り
2019/08/12
3年前の夏祭り、
夜7時過ぎで祭りの後片付けも済んだあとだった。
小さな田舎町だから、
毎年の夏祭りは小さな公園で開かれる。
喪友達4人が集まって、
幼少期からいつも可愛がってくれた町長さんと近所の人にことわって、
その公園で花火をしたんだ。
人気もなく静かでだだっ広い公園に、
私たちの声と花火の音だけが響いていた。
花火もなくなりかけたとき、
ふと、煙が変な感じに所々の場所を避けて立ち込めていた。
まるで無数の人が立っているみたいに。
気味が悪かったけど、風のせいだと思い込むことにして、
楽しそうに盛り上がる皆に混じって花火をして、
写真をたくさん撮った。
その数日後から次々と、
Aが交通事故にあい、
Bが仕事中に胃潰瘍、
Cの家が火事、
私はあの公園で変質者にレイープされかけた。
夏祭りのことなどすっかり忘れ、
皆の周りが落ち着いた去年の夏、
Aが写真を現像したということで皆で家に遊びにいった。
私たちがwktkしている中、
Aは顔面蒼白で写真をテーブルに並べた。
私たちは言葉を失った。
数枚には、私たち4人を取り囲むように
数えきれない真っ赤な人影が映っていて、
残り数枚は私たちそれぞれの首がなく、
残り1枚花火を映した写真に、
頭は髪の長い女性で体は臍の緒がついた胎児、
という得体の知れない人物がはっきりと写っていた。
私たちは急いで町長さんの家に向かった。
話によるとその公園の近隣はその昔、
とても大きな処刑場だったそうだ。
写真は町長さんの知り合いのお寺でお焚き上げしてもらった。
勿論、その夏は祭りには参加しなかった。
私たちはあれから町を引っ越したけれど、
今でもあの夏の出来事は忘れられずにいる。
長々とお付き合いありがとうございました。
未だに4人は喪です。
きっと、あの公園の祟りだと思うんだぜ。