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黒い服を着て泣いている人達

2019/08/08

3連休に展示会をやったので、昨日今日と休みの俺。
昨日は早朝から普段行っている渓流に行こうと思い、車で向かった。
まだ暗いうちに到着、車が止められる場所に止め、準備をしていた。
すると子供が俺が来た道を歩いてきた。
すぐ近くにキャンプ場があり、カブトムシなんかもバンバン取れる場所だし、早朝から子供が歩いていても不思議ではないんだが、その子はなぜか水着。
「お兄ちゃん、釣りに来たの?」と聞かれたので、「そうだよ、カブトムシ取りかい?」と聞き返した。
すると、「違うよ川で遊んでいるんだ。ちょっと下流の淵に魚がたくさん居たよ」と言う。
なんかおかしいな、でもどこかで会ったことのある子のような気もするなと思いながら、上流で釣ることを伝え、「じゃあ気をつけてね」と手を振ると、「帰りに淵に寄ってね、絶対に魚釣れるから」と言って来た道を戻っていった。
上流で釣りをしてお昼頃に車に戻り、そこで朝の子供のことを思い出し、ちょっと下流の淵をのぞいて見る事にした。
するとそこには黒い服を着て泣いている人達が。
そういえば去年、ここで子供が亡くなったんだった。
冷静に考えると、薄暗い早朝に水着の子供が歩いているのはおかしなことなんだが、水着だけの子供の足の先までしっかり見てた。
しかも存在があまりにもはっきりしすぎていたし、声もしっかり聞えた。
ちょっとだけ怖くなったので、家に帰って近所の寺の住職に相談してみた。
その寺は幽霊画(しかも目が動くw)なんかがたくさんあって、その手の話には強い寺なんだが。
そしたら子供が不慮の事故で亡くなったりすると、死んだことがわからないのと、家族とかと離れたくない思いから、足まで地に着けて彷徨っちゃうことがあるらしい。
普段は家族と居るのに、たまたま1年たって同じ地に家族が行くので付いて来たんだろうということだった。
今朝、その子が亡くなった淵に、お菓子を買って真新しい花の横に置いてきた。
そして車に乗ってカーステ動き始めたら子供の声がした。
「今日は釣りしないの?」って。
誰も居ない車内で俺は「うん、今日はやめておくよ」と言って、誰も居ない川に向かって手を振って帰ってきた。

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