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崖に立つおばあさん

2021/02/27

俺の実体験だが、思い出すと今でもものすごく怖い。

厨の時、家族で釣りに行ったときの話なんだが早朝4時か5時くらいに紀伊長島の山道を車で走ってた。片側が山で、もう片方にガードレールがある。

そのガードレールの向こうは崖になってて、ずーっと下に海があった。もう延々と家一軒もない1本道を何十分も走ってた。

そんな場所なのに、ガードレールの横に突っ立ってる人がいたんだ。近づくにつれて、おばあさんだって分かった。荷物もなんも持ってなくてただ立ってるから、その人を通り過ぎてから50mくらい先で父親が車を止めたんだ。

その人、3月でまだ寒いのに薄着だし、父親は遭難か何かだと思って声かけにいってくるって言ったが、母親はすごく不気味がって反対した。

俺はずっとおばあさんを見てた。次の瞬間おばあさんがこっちをむいて手招きした。このとき絶対ヤバイと思った。両親も幽霊なんちゃうん?と言い始めた。しばらく3人でそのおばあさんを見てたんだ。

そしたらそのおばあさんが突然ガードレールにもたれかかって、腹をガードレールに乗っけてぶらぶらとぶら下がったんだ。分かる?ちょうど洗濯物が干されてるみたいに。もう一度言うが、ガードレールの先は崖だ。そんなとこでぶらぶらやってんだよ。不気味杉。

もう親も俺もパニックで、急いで車を出した。もう一度振り返ったときにはもういなかった。家族全員で幽霊見たなんてすごくね?

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