店のトイレの掃除をしていた
2019/07/29
昔飲食店でバイトしてたときの話。
夕方開店前、私は店のトイレの掃除をしてました。
私は洗面台の大きな鏡に背を向けて、三つあるうちの一つのトイレを、トイレブラシでごしごしと磨いていました。
トイレを磨いていると、トイレのドアがバタン!とすごい勢いで開いて、バタバタバタ!!と誰かが隣のトイレに走り込んでくる気配がしました。
バイト仲間が数人、店内で同様に清掃作業をしていたので、その中の一人が具合悪くなったのかな、と思いました。
隣のトイレからは「おえええええええ!!おえええええええええ!!」と、ゲロを吐くような、苦しそうな声が聞こえてきました。
私はトイレ掃除をしながら、「誰か二日酔いなのかな?」と思いました。
しばらくたっても「おええええええ!!」という声は止まりません。
私は心配になって、その吐いてる人にお水でもあげようか、と顔を上げました。
鏡越しに隣のトイレを見ると、そこには誰もいませんでした。
同時に「おえええええ!」という嗚咽音も、ぴたっと止まりました。
あんまり怖くないかもしれないけど、個人的にはものすごい怖かった体験です。