兄貴と女と男
2018/12/05
夜に自室の2Fで一人で本読んでたときのこと。
実家は立てた場所が悪かったのか、
ラップ現象が耐えんかった。
自分は単に家鳴りだと思ってたんだが、
その日はポスターが鳴ったのでおかしいなぁと思っていた。
そのうち外で階段を上ってくる足音がして、
兄貴が帰ってきたんだと思った。
けど、階段の足音がいつまで経っても止まない。
さすがに3分も経たないうちに
不振に思ってドアを開けて外に顔をだした。
階段には困った顔をした
見知らぬお姉さんが立っていた。
「あ、○○さん(兄貴)いますか?」
自分はとっさに、
ああ兄貴の彼女かなと思って、
「まだ帰ってないですよ」
と告げた。
「そうなんですか」
と途端にお姉さんはしょんぼりした顔になって
階段を引き返していった。
また兄貴は変な人と付き合ってるなーと
部屋に引き返したんだが、ふと気づいた。
兄貴、出張中で帰ってくるの二週間先なんだよ。
彼女だったらそれくらい知ってるはずじゃないか?
どうして自分はそれまで兄貴が出張なのを忘れてたんだ?
「帰ってくるまで、待たせてもらってもいいですか?」
背後から声がして、気づいたら朝だった。
目が覚めてから、
あれは夢だったのかなーと思ったら、
携帯に兄貴から連絡があった。
出たら、幼馴染が亡くなったから、
焼香だけでも換わりに行ってくれないかって連絡だった。
(今思うと変な話だって思うんだけど)
仕方なく制服着て、頼まれた住所に行った。
普通、お通夜のある家って、
近くになると看板とか立ってるはずなのに、
それがなくておかしいなと思った。
住所の家まで来ても、受付も何もなくて、
兄貴が住所を間違えたんだと思って携帯をだしたとこで、
玄関から出てきたおばさんに声をかけられた。
「○○くん(兄貴)?」
「あ、○○の弟です」
と答えると、
○○くんはもう学生じゃないものね、
と笑っておばさんは家に招き入れてくれた。
聞くと亡くなった幼馴染の家には違いないんだが、
亡くなってもう5年経ってて、
葬式には兄貴も参列したという。
仏壇に手を合わさせてもらったけど、
写真は見たことない男の人だった。
兄貴にどういうことか電話をかけようと思って、
おばさんと少し話をしていたら、母親から電話が入った。
兄貴が出張先で事故に巻き込まれたという連絡だった。
おばさんに挨拶そこそこに飛び出して、
母親との待ち合わせ場所の駅で落ち合って、
そのまま兄貴の出張先に向かった。
思ったより早くついたけど、
兄貴は乗用車の中に閉じ込められてて救出が遅れたらしく、
生死の境を彷徨ってた。
医者にも覚悟してくださいって言われた。
母親を支えながら廊下のベンチに座ってる間、
なんか変な足音に気づいた。
まだ明るいうちだったから、
病院の待合なんて人いっぱいるから、
足音なんて普通なんだけど、
何故だかその足音だけ変なんだよ。
そのうち聞きなれた音だからって気づいた。
実家の階段を上る音だって。
目の前に、家でみたお姉さんがいた。
「まだかなまだかなまだかな」
と繰り返し呟くお姉さんをみて、
こいつが原因だととっさに思った。
自分はそいつを睨み付けて
「どっかいけ!」
と心で呟いた。
そしたら声がやんで女の目だけがぐるん、
て動いてこっちをみた。
顔がぜんぜんうごいてないのに、
眼球だけ、ぐるん、て。
さすがにここで、
とんでもない相手をしていると気づいて背筋が凍った。
どうしたらいいのかわからず、
しばらく女とにらみ合ってた。
そしたらまた、とんとんとん、
て別の足音がしてそっちに視線を向けたら、
次に女に視線を戻したときには女の姿はなかった。
どうしたんだろうと思ったら、
今度は目の前に兄貴と同じ年くらいの男の人が立ってた。
「あいつに、苦労かけるな馬鹿野郎っていっといて」
というと、コブシでとんとんと二回、
自分の頭をこついて消えた。
亡くなった、兄貴の同級生の顔だった。
兄貴は無事目を覚ました。
あとで聞いたら、
兄貴は自分に電話をしていなかった。
着信履歴みたら、
確か兄貴から電話があった記録がなくなっていた。
自分が体験した不思議なことを話したら、兄貴は泣いた。