ネット上に存在する不思議で怖い話を
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夏の音

2019/07/20

高校の夏休みのとき、
いとこの家に遊びに行こうとしてたんだよ。
お盆前だったかな。
めちゃくちゃ暑くて、
景色が揺れて見えるほどだった。
蝉の声も工事の音も電車の音もうるさいなあ、
と思いながら歩いてた。
さすが夏休み。
子供がはしゃぐ声が遠くから響いてくる。
しばらく歩いてマンションが立ち並ぶ区域まで来たとき、
あれ?って気付いた。
音が消えてる。
蝉の鳴声も工事の音も電車の音も子供の声も。
うわヤバイ。
日射病?と思ったけど、自分の身体は正常。
強い日差しで陽炎みたいに景色が揺れてる。
呆然としたまま立ち尽くす自分の横を、
赤いスカートの女の子が走り抜けていった。
ちょっと走ったら女の子は立ち止まって振り返る。
女の子が手招きする。
とりあえずついて行ってみようと思った。
しばらく女の子について歩いていったら、
突然肩をつかまれた。
顔を向けると、
紺色の着物を着た若い男の人が立ってた。
次の瞬間、全部の音が帰ってきた。
迫る電車の音に慌てて後ろに下がる。
いつのまにか自分は線路際に立っていたのだ。
もう少しで電車に飛び込んでいたのかもしれない。
着物の若い男の人も女の子もいなかった。
いとこに聞いたら、
「昔、電車にはねられて
亡くなった女の子がいたらしい」
とのこと。
どうやら呼ばれてしまったらしい。
霊感のある友達が言っていたことを思い出した

「お前の後ろの人、若いな」
と。
あの時は
『後ろの人って何だよ!?』
と思ったが、守護霊ってやつなんだろうか…。
不思議な体験だったな…。

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