よんどりっとわぁん
2019/07/15
時々仕事で、老人介護施設に出向く。
そこには重度の痴呆の老人を集めた階があり、
叫んだり泣いたりと、かなり騒がしい階である
そこで介護職員と打ち合わせをしていたら、
横で座っていたおじいちゃんが、
「よんどりっとわぁん!」
僕は唖然とした。
「よんどりっとわぁん」
これは僕が子供の頃、
弟とふざけて踊っていたときに使っていた言葉だ。
その言葉に何の意味もなく、考えたのも僕であったはずだ。
この言葉を知っているのは僕と弟だけのはず。
幼かった弟は忘れているかもしれない。
恥ずかしいが、弟と二人きりのときにだけ、
ゲラゲラ笑いながら踊りまくっていた。
おじいちゃんは僕の顔を凝視して、
手を振り上げながらまるで踊るかのように、
「よんどりっとわぁん」
これって偶然なのだろうか。