人形の声(続)
2019/07/13
『人形の声』ってタイトルで載せてもらった人間だけど、
今日、なんとなくいつもは通らない道で帰ってたら、
古道具屋で例の人形と同じ人形を発見した。
懐かしさがこみ上げてきて、迷わずに買って帰った。
その人形を部屋に置いて風呂に入ってたら、
体を洗ってる最中に耳のすぐそばではっきりと、
「つぎはないからね」って聞こえた。
即座に鏡を見ても、何も映っていない。
振り向いても風呂場から出てみても、誰もいなかった。
気のせいだと思って、そのまま洗って風呂から出たら、
目立つ位置に置いてあった人形が忽然と消えていた。
部屋の鍵は当然かかってるし、チェーンもしてあった。
窓も確認したけど、きっちりと閉まっていた。
そして、嘘みたいなことに、
あれほどはっきりと覚えていたはずの、
人形の造形や詳しい大きさが、全く思い出せなくなってしまった。
多分、人形が、次に会っても持ち帰らないようにしたんだと思う。
なんであの人形にそこまで気に入られていたのか、全くわからない…